世界経済展望
上がって、少し下がる。というイメージです。
日本は上がって上がるという基調ですが、政策面+輸出の動きに注視する必要が
あります。
欧州は英国を除いて潜水平泳ぎ状態。
息継ぎで水面に顔を出したところでハンマーで殴られる。
結局のところ元気が良いのは米国ですが、綱の上を全速力で走っている感じです。
[米国]
設備投資:足元は減税もあり堅調。2001年第1四半期からの積みあがった更新需要の顕在化が見られ、2桁の増加を維持する見込み。但し、耐久財出荷の動きが鈍ってきていることには注意が必要。特にIT投資には小休止とも言うべき状況下にある。
消費:2003年は雇用なき回復、ジョブレス・リカバリーが基調。生産が拡大しても雇用が増加しない場合、消費の拡大は見込めない。しかし、2003年末に非製造業で雇用の増加が観測され始めたこと、製造業でも改善の兆しがある。
また、2004年の2~5月の再度の所得税還付による効果を期待できる。なお、今財政年度の減税額は1,487億ドルとピークになる。この為に、少なくとも年前半での消費の失速はないものと考えられる。
住宅投資は2003年11月に1984年2月以来という207万戸の水準を付けた。2004年はこうした住宅投資が前年の反動減、急速な景気回復による長期金利の上昇によって減少することが考えられる。但し、雇用環境の改善があるとすれば大きな落込みとなる可能性はない。
在庫循環を見ても、在庫率の下ブレが6月から半年間継続しており、これによる在庫積み増しのための生産増が向こう半年は続くと考えられる。
以上から2004年前半の米国経済の失速は考えにくく、年末に供給過剰に陥る可能性は依然として捨てきれないものの年率3%台の成長は保つと考えられる。
もう一つの懸念材料はドル安であり、ドル安がドル安を生む状況なら海外資金の流入が止まり、家計、政府の赤字により米国経済が資金ショートとなる危険があること。
[日本]
基調としては(緩やかな)回復。短期的に在庫循環を見ると在庫調整局面入りしている(と考えられる)。
但し、山低ければ谷また浅しで、調整は表に出ないか短期間で終了する。
消費は意外に堅調。問題は、春以降の実質増税の影響がどの程度になるか。どちらに振れるにせよ、名目では微減あるいは横ばい、実質では微増となると思われる。
マクロで見て実質で増加するということは価格下落が激しい民生用IT機器の数量は掃けることを意味。
設備投資は企業業績の回復と輸出の増加により増加。先行指標である機械受注に勢いがあることから少なくとも半年は勢いを保つ可能性が高い。
懸念材料は、米国経済が2004年の後半には雲行きが怪しいこと。年金問題、税制問題など個人消費のマインドを冷やすような政策が採られていること、マネーサプライの伸びに勢いがないこと。3度繰り返すと言うが、繰り返しそうな環境が整っている。
IT投資の動きも設備投資次第であり、現状では後半には勢いがなくなると判断するのが妥当。
[欧州]
個人消費には勢いなし。失業率が高水準で止まったままであり、消費マインドも
冷え切ったまま。
一方で、2003年後半から海外受注の増加によって企業の生産が回復しつつある。この外需要因が設備投資意欲を喚起すると考えられる。
また、外需主導の生産増加による企業業績の回復が雇用へと結びつく動きが出始めており、このことが個人消費を支えよう。
いづれにせよ、勢いが感じられないことから2004年後半にかけて緩やかな伸びといったところ。
その伸びの主要因が外需であることから、ようやく上向き基調に乗り始める2004年後半には米国の景気が冷える危険性があることが不安材料。
なお、英国は雇用情勢が安定していることから消費も堅調。さらに、PFI関連の政府支出があり他国とは異なった動きとなるだろう。
日本は上がって上がるという基調ですが、政策面+輸出の動きに注視する必要が
あります。
欧州は英国を除いて潜水平泳ぎ状態。
息継ぎで水面に顔を出したところでハンマーで殴られる。
結局のところ元気が良いのは米国ですが、綱の上を全速力で走っている感じです。
[米国]
設備投資:足元は減税もあり堅調。2001年第1四半期からの積みあがった更新需要の顕在化が見られ、2桁の増加を維持する見込み。但し、耐久財出荷の動きが鈍ってきていることには注意が必要。特にIT投資には小休止とも言うべき状況下にある。
消費:2003年は雇用なき回復、ジョブレス・リカバリーが基調。生産が拡大しても雇用が増加しない場合、消費の拡大は見込めない。しかし、2003年末に非製造業で雇用の増加が観測され始めたこと、製造業でも改善の兆しがある。
また、2004年の2~5月の再度の所得税還付による効果を期待できる。なお、今財政年度の減税額は1,487億ドルとピークになる。この為に、少なくとも年前半での消費の失速はないものと考えられる。
住宅投資は2003年11月に1984年2月以来という207万戸の水準を付けた。2004年はこうした住宅投資が前年の反動減、急速な景気回復による長期金利の上昇によって減少することが考えられる。但し、雇用環境の改善があるとすれば大きな落込みとなる可能性はない。
在庫循環を見ても、在庫率の下ブレが6月から半年間継続しており、これによる在庫積み増しのための生産増が向こう半年は続くと考えられる。
以上から2004年前半の米国経済の失速は考えにくく、年末に供給過剰に陥る可能性は依然として捨てきれないものの年率3%台の成長は保つと考えられる。
もう一つの懸念材料はドル安であり、ドル安がドル安を生む状況なら海外資金の流入が止まり、家計、政府の赤字により米国経済が資金ショートとなる危険があること。
[日本]
基調としては(緩やかな)回復。短期的に在庫循環を見ると在庫調整局面入りしている(と考えられる)。
但し、山低ければ谷また浅しで、調整は表に出ないか短期間で終了する。
消費は意外に堅調。問題は、春以降の実質増税の影響がどの程度になるか。どちらに振れるにせよ、名目では微減あるいは横ばい、実質では微増となると思われる。
マクロで見て実質で増加するということは価格下落が激しい民生用IT機器の数量は掃けることを意味。
設備投資は企業業績の回復と輸出の増加により増加。先行指標である機械受注に勢いがあることから少なくとも半年は勢いを保つ可能性が高い。
懸念材料は、米国経済が2004年の後半には雲行きが怪しいこと。年金問題、税制問題など個人消費のマインドを冷やすような政策が採られていること、マネーサプライの伸びに勢いがないこと。3度繰り返すと言うが、繰り返しそうな環境が整っている。
IT投資の動きも設備投資次第であり、現状では後半には勢いがなくなると判断するのが妥当。
[欧州]
個人消費には勢いなし。失業率が高水準で止まったままであり、消費マインドも
冷え切ったまま。
一方で、2003年後半から海外受注の増加によって企業の生産が回復しつつある。この外需要因が設備投資意欲を喚起すると考えられる。
また、外需主導の生産増加による企業業績の回復が雇用へと結びつく動きが出始めており、このことが個人消費を支えよう。
いづれにせよ、勢いが感じられないことから2004年後半にかけて緩やかな伸びといったところ。
その伸びの主要因が外需であることから、ようやく上向き基調に乗り始める2004年後半には米国の景気が冷える危険性があることが不安材料。
なお、英国は雇用情勢が安定していることから消費も堅調。さらに、PFI関連の政府支出があり他国とは異なった動きとなるだろう。