金曜日, 9月 19, 2003

2003年度IT投資は9.3%増

日本政策投資銀行が18日に設備投資計画調査を発表。
同調査によると、2003年度の情報化投資は、製造業で13.4%増、非製造業で6.4%増。
製造業では、生産・在庫管理、会計システムを中心として鉄鋼、食品、石油業で増加。前回調査からの修正率も9.4%となった。非製造業では、卸売・小売の情報化投資が一巡するものの、それに代わって通信・情報、電力・ガスで増加。
情報化投資の内訳は、有形固定資産27.5%、ソフトウェア等の無形固定資産が36.9%、リース新規契約が20.6%。

日本経済は、1999年1月から2000年10月までの21ヵ月の拡大期「IT景気」の後に15ヵ月の後退局面を経験。戦後の景気循環の平均拡大期33ヵ月、後退期16ヵ月と比較すると明らかに短期燃焼型となっている。
さらに、「IT景気」後の「ミニ景気」も2003年1月前後に山を付けたと考えられている。
経験則からすると、山の2003年1月から15・6月後の2004年夏前には、景気は拡大局面に移行する。
しかし、設備投資循環が底を打っていること、デフレ化で在庫循環自体が短期化していることが景気の循環そのものを変容させている。

木曜日, 9月 18, 2003

IT投資の新規投資割合は平均23.0%

平成14年度「情報システム・ネットワーク化調査」が(財)日本情報処理開発協会から発表された。
この調査によると、事業収入に占める情報化投資の割合は平均1.9%。産業別では非製造業(2.2%)が多く、従業員規模別では、5,000人以上の企業が1.6%と最も少ない。
情報化投資の中で新規投資の占める割合は平均23.0%。意外にも、製造業、非製造業の差は小さいという。
また、従業員規模別では、5,000人以上(25.6%)が最も多くなっている。内訳を見ると、対情報化投資総額新規情報化投資が10%未満と回答した割合は、従業員規模に反比例し、100人未満の企業では78.3%に上るのに対し、1,000人以上5,000人未満では5割以下となり、5,000人以上では33.3%となっている。

水曜日, 9月 17, 2003

韓国IT輸出、過去最高に

韓国の8月のIT関連製品の輸出額は、前年比29・9%増となり過去最高の51億ドルに達した(情報通信部)。
一方、輸入は28億7000万ドルになり、IT貿易黒字は22億3000万ドルとこちらも過去最高額を記録。
IT輸出の増加は、携帯電話(前年比37.3%増、11億6000万ドル)、半導体(前年比21.4%増、18億ドル)の中国やアジアへの出荷の増加が主要因。
かつて大勢を占めていた米国向け輸出はDRAMへの報復関税や為替の影響でシェアを低下させている。

火曜日, 9月 16, 2003

タイガースはIT経済を.....

終に阪神がリーグ優勝を決めた。
日本経済もこの勢いに乗る事が出来るか。次の焦点は、この一点になる。

まず、阪神の大活躍による関西消費の高まりの試算として日本総研によるものがある。
これによると、1試合当りの平均入場者数が過去5年平均34,168人から1985年優勝時をやや上回る20%増加になるとして6,800人。
関西における試合数が公式戦で69、日本シリーズで3。
観戦における1人当り消費額を6,500円として、以上から31.8億円。
さらに、ファン146万人の50%がシーズン中に月1回、計7回、外食をし、平均支出が5000円として254億円。グッズ等の購入に月平均5000円として128億円。
加えて、スポーツ新聞の売上が24.7億円増加、優勝セールで250億円。
全て合わせて関西地区の直接消費が688億円。
この688億円の消費が他地域の産業に波及して約1133億円に達するとする。
一方、UFJ総研は、阪神がリーグ優勝した暁には、少なくとも2170億円、最大では6355億円の経済波及効果があるとの試算を発表している。
UFJ総研は、全国阪神ファンを1500万人とした上でファン一人当たり消費額の増加を何通りかに分けて計算している。
そうした何通りかの試算の中間値は関西で1587億円、全国で4124億円とのこと。

2002年の家計最終消費が279兆2210億円というから全国ベースで0.1%相当。最大ということになると0.2%相当。
これだけだと大したことはない様にも思える。

しかし、にわかタイガース・ファンの全国的拡大や優勝に合わせて一時的に帰郷していた熱狂的ファンが関東圏を含めた各地に戻ってくることによる熱気的消費の拡大を加味すると影響は以上の金額に限定されない。

阪神のリーグ優勝だけでは日本経済には大きな影響はないとの冷めた指摘もなされる中、太田大阪府知事は大阪市、関西経済連合会、大阪商工会議所との懇談会で、阪神優勝を機に大阪を活性化させる具体案を話し合っている。
阪神百貨店のタイガースグッズの売上高も1985年優勝時の1年間の売上高を上回り過去最高になったという。これを受けて、阪神百貨店は12日に、2003年9月中間連結決算の業績予想を上方修正し、売上高で前年同期比6.8%増の596億円、税引後利益で1億9000万円増前年同期比2.1%増の6億8000万円と発表している。
また、「阪神の頑張りが、地域経済再生の起爆剤となることを、熱望して」優勝で金利7.7倍、2・3位で3倍という「がんばれ阪神タイガース定期預金 パワーアップ勝星77」を発売し、2,280億の預金(新規915億800万円)を集めた尼崎信用金庫も「阪神の優勝によって、今後こうした動き(関西経済活性化)が一段と加速していくことを願」うとするコメントを発表しているなど関西経済界の期待は小さくない。

それでは、阪神優勝はITにどう関係してくるのか。
「ノベル・ニューズレター」322号では、阪神優勝→関西企業の投資意欲が盛り上がる→IT投資拡大→セキュリティ強化→ユーザアカウント統合という図式を描いている。
果たして、それほど上手くいくものか、そう考えるのは野暮というもの。
景気は気からという。
ちなみに、2000年の産業連関表(平成15年8月29日公表)を利用して、関西における消費の増加を688億円として全国ベースでのIT支出の増加額を計算してみると、計算機関連では1.47億円、情報サービス関連では14.8億円になる。これはミニマムのケースと整理できるだろう。
消費の拡大による雇用の増加、生産の増加が投資拡大に結びつくならば、桁が大きく変わってくる。

気がかりなのは、全国3000万人とされる巨人ファンの消費が落ち込むことも予想され、トータルの効果としてどちらに振れるのかということであり予断を許さないといえよう。

[参考]
宮本研究室による試算
「阪神の応援のハッピが売れれば、そのハッピを作っている会社に原材料を納入している紡績会社の売上が増える。このような経済効果と直接効果をあわせたものを一次波及効果という。さらに、ハッピが売れると、ハッピを作っている会社の生産が拡大し売上が増える。そうすると、従業員の残業手当やボーナスが増加する。その増加した所得でプラズマディスプレイや液晶テレビを買うと、家電産業の売上増加となる。このような波及効果を二次波及効果という。経済では、このような波及効果が景気拡大に繋がる」