
上の図は2000年第1四半期から2003年第2四半期までのIBMのセグメント毎のグロス・マージンのデータを利用して、事業構造の有効フロンティアを描いたもの。
△でプロットしてあるのは、2002年第4四半期から2003年第2四半期の3期間の実際の事業構造を示しています。
これを見ると、IBMの事業構造は、"ほぼ"有効フロンティア上に位置しているので、最適な構造を保っていると言うことが出来るでしょう。
ここで、最適な事業構造を表している効率フロンティアからの乖離具合を見ると以下のようになります。
point | ハードウェア | グローバルサービス | ソフトウェア |
03Ⅱ | 4.1 | 2.0 | ▲5.3 |
03Ⅰ | 2.4 | 3.5 | ▲5.7 |
04Ⅳ | 7.8 | ▲2.5 | ▲5.3 |
2002年第4四半期まではグローバルサービスの比率を上げる必要がありましたが、2003年ではより最適な比率に近づいています。
また、ハードウェアの構成比を下げて、ソフトウェアの構成比を上げることで、同じリスクでグロスマージンを上げることが出来るということも言えるでしょう。
但し、ここでは売上の標準偏差をリスクとして計算しています。
これに対しては、期待収益率がマイナスになることと認識すべきではないのか、あるいは、平均期待収益率(5%)以下になることと認識するべきだという指摘があるということを付け加えておきます。
また、「リターン」をグロスマージンではなく、「NPVの平均値」または「IRR」に、「リスク」を最高支出額にすべきという考え方もあります。