火曜日, 1月 04, 2005

ITサービスの行方

『アチラとコチラの比較優位』に関連して備忘的メモ。

藤元健太郎氏は『ITビジネス原論/ITサービスの行方』の中で 

「システム開発という巨大な重しを捨てたITサービス業界は以下の4つの企業タイプに分化していくと推測できる。」

として、

1.部品提供企業
2.ASP/BPO
3.プラットフォーム
4.BTプロバイダー

を挙げています。
4のBTプロバイダーというのはソリューション・カンパニーそのものでBT(ビジネステクノロジー)はIT(インフォメーションテクノロジー:情報技術)に加えてFT(フィナンシャルテクノロジー:金融技術)とMT(マネジメントテクノロジー:経営技術)を加えたビジネスを行うというもの。
MTを不得手とする日本企業では難しいかもしれません。
例えば、世界に通用するようなビジネス・プロセスのテンプレートを構築することが出来るでしょうか?

そこで、現実解として
「実現できなければ2や3に特化した業態に転換する必要」
あるいは
「ITサービスの看板をおろし、高度化したユーザー企業の情報システム部門に人材を派遣する人材派遣ビジネスであれば、仕事がなくなることはない」
としています。

前者の解は、オープン化の圧力があることを考えると継続的な価格下落圧力に晒される可能性は捨てきれないという点に注意が必要だと考えられます。
後者は、「ITサービスの看板をおろ」さなくとも可能だと思われます。

[参考]IT産業、覇者の未来。Waves of IT Power
「 覇者の未来は、インターネットからのコンテンツ時代へのパラダイムシフトにより主体は“個人”となる。 IT技術も個人を視座に入れるものが次代の勝者となう。」
IT技術の流れが「企業から個人」という向きから「個人から企業」へとブロードバンド以降で変わってきていることからすると頷けます。