火曜日, 6月 08, 2004

中国のIT生産

中国のPC出荷台数は、日本を除くアジア・太平洋地域の約4割を占めている。
パソコンの地域別出荷は、各種調査資料および公式統計を総合すると、EMEA(Europe, Middle East & Africa)地域が5,000万台、米国が6,000万台弱、日本が1,000万台強、中国が3,000万台強、そしてその他のアジア太平洋地域で3,000万台程度と全世界では1億7,000万台から1億8,000万台といったところ。
この辺りは様々な数値が公式統計として発表されているので幅がある。ちなみに、中国の数値は国内生産台数なので国内出荷台数ではない。
こうしたことを割り引いても、今挙げた数値が大きく変わるということはないだろう。
JEITAの統計を見ても、PCだけの昨年度の国内出荷は1,156.8万台、輸出を含めた総出荷ベースで見ても1,156.8万台。これに対して、中国のPCの国内生産は中国国家統計局の統計によると2003年で3,142万台。
中国はITの分野でも立派な生産国になっているということになる。




[暦注]旧暦4月21日、戊午、赤口、四緑木星、建(たつ)、室(しつ)

当たり前ではあるけれど

顧客第2主義—「超」成長企業の経営哲学

経費を削減すると社員に報償として還元!とか、上司の面接を部下がするとか、退社した元社員に何が悪かったのかヒアリングを行うとか、社員が会社に満足していないのに顧客が会社に満足感を得られるわけがないとか。
経費を削減すると社員に還元というところは面白いと思います。やがて還元、あるいは利益が出たら還元ではなくて、経費を削減したら還元。もちろん、100%還元ではないのでしょうけど、それでも効果はあるでしょうね。

顧客第1主義への強烈なパンチです。

この会社、ハーバードでもケースとして何回か取り上げられています。

但し、この会社2003年にアメリカン・エキスプレスに買収されています。

そうそう、幾ら実力のあるコンサルにお願いしても、結果は企業の実力を越えることは出来ない。なんていうのも結構強烈なパンチ。
コンサルが同じことを言って、同じ手順を詳細に示しても、日産と三菱とでは結果が全く異なるという当たり前といえば当たり前のことなのですけど。
同じ釜の飯で育った一卵性双生児でも"出来"が違っていたりするわけで、この辺りは確りと認識すべきでしょう。
つまり、IT業界で言うと、IBMのリトル・コピーをしてみたところで、体質改善でもしない限りはリトル・IBMにすらならない。ヘテロ・IBMとかキメラ・富士通にしかなり得ないわけです。忠実にコピーしても、IBMと富士通では写し取る紙が違うわけですね。
和紙に一生懸命コピーしてもインクは滲んで当たり前。
製品・サービスで全方位作戦を展開するのではなくて、思考で全方位をとったほうが良のように思えます。

月曜日, 6月 07, 2004

在韓米軍1/3へ提案

ブッシュ政権が進める海外駐留米軍の世界的再編の一環として、在韓米軍(約3万7500人)の再編問題を話し合う初の米韓公式協議が6日夜にソウルで開催。
この席上、米国が05年末までに1万2500人を削減する計画を正式に伝えてきたという。
この削減は実質的な軍事力の削減ではないとされる。
つまり、新兵器のシステム導入などにより、北朝鮮に対する抑止力に影響はないとされている。
また、韓国内の米軍の削減は民主党盧武鉉政権がかねてから求めていたものであり、それを違う思惑から米国側が実際に提案したことになる。
しかし、実際に3分の1に及ぶ在韓米軍削減するとなると半島の軍事バランスへの影響が懸念される。

CIA広告

たった今気付いたのだけれども、エコノミストのウェブのトップにCIAの人材募集広告が出ている。
Intelligence speaks many languages.
Careers in clandestine service
The work of a nation.The center of intelligence.
と表示されて、バックには「日経新聞」などのロゴが表示されている。
そして、クリックすると、CIAに飛ぶようになっている。
こういうのは、MI6(英対外情報部)ではやらないでしょうねぇ。


ノキアの変化

FTとEconomistが「折りたたみ型」などの携帯電話機に対する需要の読み間違いによるノキアのシェアの低下(*1)の原因として2つのものを挙げる(*2)。ノキアは、サムスンがハイ・エンド市場から攻め、中級市場でソニー・エリクソンが地歩を固め、シーメンスはロー・エンド市場で息巻く中で時代遅れの二正面作戦宜しく全方位戦略を採っている。

携帯電話端末はファッション性を増し複雑なビジネスとなっている。
その中で、ノキアは過去の成功体験ゆえの失敗に陥った。

ブランドというものはプラスの価値を持つことが当然のように考えられているけれども、ノキアの例によって、実はブランドというものはマイナスの価値も持つということが改めて確認出来る。

そして、携帯電話機の市場のコモディティ化。

その結果として、製造をEMSにアウトソース可能になっただけではなく、EMSの中にODMs(Original Design Manufacturers)として設計までも手がける企業が出現し始めたことで、携帯電話端末における大規模垂直企業の優位性が消失しつつあるというもの。

しかし、ノキアも黙っているわけではなく、同じく5月31日付のFTの記事(*3)によると、
" Analysts said this indicated price cuts were having an impact on sales as Nokia introduced the most aggressive price cuts across its range to its low-end phones. "
それだけではなく、
" But Nokia has also regained market share at the top end, according to retailers, with its colour screen 6230 model becoming a top seller and with its first mainstream "clamshell" phone, the 7200, also proving highly popular. "

と攻勢に転じ、シェアを急速に回復している。弱点とされたところを早急にカバーした形となっているけれども、市場の構造がコモディティ化に向っているという展開の中でどこまでノキアの優位性が持続するかは不透明。


*1:携帯電話:ノキアの世界シェアが急低下 2004年第1四半期の世界の携帯電話出荷台数は1億5270万台で、前年同期比29.3%増加した一方でノキア社が同17.2%増にとどまり、シェアが29.3%へと低下。

*2:The Finnish company has dominated mobile telecoms but has been slow to recognize recent challenges to its market share(FinancialTimes.com / May 7 2004)

Special report Mobile phone;Battling for the palm of your hand(The Economist May 1st 2004)

*3:Nokia recaptures lost market share Requires subscription
Financial Times, May 31, 2004
By Robert Budden in London

[暦注]
旧暦4月20日、丁巳、大安、三碧木星、閉(とづ)、危(き)