火曜日, 3月 29, 2005

ユーティリティ・コンピューティングへの道

事業化に動き出すグリッド・コンピューティング,NTTデータが試行サービスを開始 2005/02/16

試行サービス「cell computing Birth」に関して『「インターネットを使ったグリッド・コンピューティングは,大学などの研究で使われているが,まだ事業化された例はない」として,世界初の事業化を目指す』としています。

これは、データグリッドとかコラボレーショングリッドではなくて、エンタープライズグリッドの範疇でしょう。

『将来は,パソコンを提供する参加者にNTTデータが顧客から得る収入の一部を還元したいという。現時点では,計算処理量に応じて,参加者に疑似通貨として使えるポイントを提供する仕組み』という点においてもビジネス・モデルを探っているという段階でしょう。

この辺りは、突き詰めると卸売電力市場と同じになるのではないかという大浦さんとの会話の通りになっています。


ところで、グリッド・コンピューティングの種類に関しては次の記事が参考になるでしょう。
[参考]特集:グリッド・コンピューティング

NTTデータが実証実験を始めたのは

●Meme(ミーム) No.3 大規模なPCグリッドネットワーク日本で初めて実験開始 = NTTデータ

によると、2002年12月20日から。
この記事によると
「日本IBMがセンターシステムのサーバ群、ソフト、システム構築のサポートを、インテルが技術開発支援とプロモーションでの協力、NTT東日本が今後の普及に向けてのネットワーク技術の課題解決やサポート、マイクロソフトがcellcomputing コミュニティWebサイトの支援」
という陣構えになっています。

IBMとSUNとで違う方向を向いているようではありますが、IBMはこういう形でSUNの目指す方向にも他社と組むことできちんと押えています。

NTTデータは社内グリッドの分野でも次のような実証を行っています。
コンピューティンググリッドの段階ですね。

グリッド・コンピューティングの業務事例---損保ジャパンがNTTデータと協業(2004/03/30)


同じような試みは
フレッツユーザーのPCでDNA解析 NTT西日本がグリッド実験 (2004/02/03)
でNTTネットワークサービスシステム研究所、三井情報開発、日本SGIが組んで行っているようです。
このBio@Homeの実験結果に関しては
世界最大の国際DNAデータバンクとフレッツユーザのパソコンを利用した「グリッド」技術の共同実験結果について(平成16年8月31日)

などと見ていると、ユーティリティ化というのも2-3年で、成否の目処の付く形が見えてくるように思えます。