
世界のPC出荷の上向き傾向が見えてきた。17日に示した図や今回の図表に掲げている数値は、各ベンダーの数値、日米の業界統計、政府統計および調査会社のデータから割り出した数値。
赤い線が米国GDPの伸び率、青い線は世界PC出荷台数の伸び率そして棒グラフは世界のPC出荷台数を示している。
これによると、いままでのところ、2002年のPC出荷台数が1億5千万台を越えていて最高記録。比較として、Gartnerの数値を見ると同じく2002年の1億4620万台が最高記録。
2003年は第3四半期の出荷が2桁になったことからすると、この2002年の記録を塗り替えるのは必至。
これは、足元の米国経済がそろりと動き出していることを受けて、世界経済も動きはじめているということと関係している。
2004年も同じ傾向で行くと考えられる。しかし、米国経済はジョブレス・リカバリーと表現されている通り、不安材料を抱えている。企業の業績が回復したとしても、個人消費に火が付かない限りは上向き基調の維持は難しい。
確かにIT投資自体は他の機械設備投資よりも元気が良い。そこでその中身を見てみると、どうやら更新投資が主体となっている模様。更新投資だけで2年間も、というのはなかなか。
巷間言われている米国の経済成長率が3.0%台で推移するという現在のところ、誠に尤もらしいシナリオに沿って考えていくと、世界の2004年のPC出荷はせいぜい5.0%台といったところだろう。
もちろん、この5%の中身の構成はIAサーバーの伸張など、かなり内容が異なったものとなることは確か。