木曜日, 8月 12, 2004

ラテンアメリカICT支出比較

(2002年,$M) ICT GDP ICT比率(%)
Chile 5,715 64,153 8.9
Colombia 10,434 80,925 12.9
Venezuela 4,943 94,340 5.2
Argentina 11,642 102,042 11.4
Brazil 50,031 452,387 11.1
Mexico 19,211 637,203 3.0
出所:世界銀行 

メキシコより大きいブラジルの情報通信市場

ICT ハード 2001 2002 2003(*)
市場規模 (10億ドル) $20.78 $20.10 $22.3
 うちコンピュータ関連ハード(100万ドル) $5,373 $4,782 $4,532
対米輸出 (1000ドル) $745 $798.2 $837
総輸出 (100万ドル) $4.664 $4.357 $4.5
総輸入 (100万ドル) $13,318 $10.125 $11
対米輸入 (100万ドル) $4.619 $3.405 $5.35
(*) 暫定値.為替レートは US$ 1.00 = R$ 2.80 (July 2003)を使用. 
出所: SECEX, BNDES, IDC, ABINEE より推計.
ITソフトウェア・サービス 2001 2002 2003
市場規模 (100万ドル) 7,700 8,000 8,400
国内生産 (100万ドル) 4,200 4,300 4,600
総輸出 (100万ドル) 100 100 200
総輸入 (100万ドル) 3,500 3,700 3,800
対米輸入 (100万ドル) 3,000 3,200 3,300
出所: ABES ,MITより推計. 


ブラジルとメキシコのICT(情報通信)市場の規模を比べると、メキシコのほうが規模が大きい。WITSAの推計を基にしている世界銀行の資料によると、2002年時点でのメキシコのICT(情報通信)市場の規模は192億1100万ドル、正確さを犠牲にすると約2兆円程度。
これに対して、ブラジルのICT(情報通信)市場の規模は500億3100万ドル、同じく5兆円ほど。
実は、この規模は韓国の323億100万ドルよりも大きい。
メキシコのほうがブラジルよりも経済規模が大きいことは言うまでもない。世界銀行の推計によると、メキシコのGDPは6,372.0億ドル(2002年、以下同じ)、ブラジルのGDPは4,523.9億ドル。韓国のGDPが4,766.9億ドルだからブラジルの経済規模は韓国を少し下回る規模ということになる。
ちなみに、日本は3兆9,937.3億ドル、日本の景気を支えている形となっている中国は1兆2,660.5億ドル。
さて、このブラジルのICT(情報通信)市場の中身を少しだけ掘り下げて見る。
まず、通信市場はブラジルの場合、かなり大きく254億2000万ドルとICT(情報通信)市場の半分を占めている。その通信市場のインフラとなる通信機器は2億3220万ドル。通信関連市場ということで括ると277億4200万ドルになる。
次に、電子部品の市場規模はおよそ7億1420万ドル。
サーバーとかストレージなどからなるコンピュータ関連のハードの市場規模はおよそ4億7820万ドル。
さらに、ソフトウェアの市場規模が8億ドル程度。
合わせると476億6600億ドルとなり、なるほど世界銀行の推計値500億ドルに近くなる。

水曜日, 8月 11, 2004

ラテンアメリカPC台数

PC台数 1998 1999 2000 2001 2002
Argentina 1,919,699 2,103,080 2,560,049 2,895,370 2,990,266
Brazil 5,002,669 6,101,060 8,515,206 10,834,460 13,044,499
Chile 936,009 1,154,133 1,419,947 1,640,005 1,860,079
Colombia 1,299,199 1,398,203 1,499,077 1,809,454 2,154,725
El Salvador   99,385 118,716 138,041 161,965
Honduras 48,923 59,755 72,060 81,102 92,371
Mexico 3,478,567 4,265,149 5,647,740 6,832,169 8,266,150
Paraguay 48,185 57,691 67,140 143,428 190,591
Peru 760,677 911,832 1,061,424 1,262,285 1,149,405
Uruguay 299,990 328,979 348,411 367,921  
出所:各国統計局,世界銀行

ブラジルICT市場

100万レアル
2001
2002
02/01(%)
電子部品5,2635,91612
コンピューター14,73213,391△9
電気機械4,5924,6491
家電9,87511,29214
通信11,4317,431△35
実質GDP成長率 1.311.93-
対ドルレート(年平均)

2.3577

2.9208-

PC 1996 1997 1998 1999 2000 2001
国内販売額($1000) 1,460,701 1,663,762 1,917,327 3,046,406 3,103,423 2,872,780
国内出荷台数 1,065,000 1,380,000 1,500,000 1,750,000 2,000,000  
ラップトップ($1000) 207,898 213,905 188,906 154,345 157,547 142,877
サーバー出荷台数 30,000 37,500 46,000 46,000 56,000  

出所:

火曜日, 8月 10, 2004

オンデマンドはエソラ事?

『野に出るための予算も,オンデマンド戦略向け100億ドルの10%,2005年までに10億ドルを振り向けた。それ以降,IBM基礎研はコンサルティング部門との協業を推進する枠組み「オンデマンド・イノベーション・サービス(ODIS)」に則り,約200人の研究者がIBMビジネスコンサルティングサービス(IBCS)と一緒に活動するようになっている。当面,IBMコンサルタントや顧客と一緒に,高度解析,ビジネス・プロセス変換,情報統合,実験経済学などの分野で仕事をする。』
出所:「研究者も街に出よ」,“技術オタク”を金に換える
IBM(2003/10/21)


で、取り上げられている"実験経済学"。

IBM Research News(2002/11/20)
" Initially, On Demand Innovation Services will concentrate research efforts on four key areas:"
として、4つの柱の一つとして位置付けられています。
参考:日本語の紹介記事

では、実験経済学というのは一体何者か。
イメージとしては
売り上げが最大になる価格設定の仕方
がガイドとなるでしょう。
上の例のように、オンデマンドでサービスを提供する場合に、そのサービスは性質から言っても同質では有り得ないわけです。
基本価格体系は一律時間課金だとしても、組み合わせの結果として得られる個別サービスに対する価格設定は一律にはならないでしょう(この時点でコモディティ・トラップから逃れています)。
そうすると、どういう価格で、どういう組み合わせのサービスを提供することがベストなのか。そういうことを追及するのが実験経済学の使命と言えます。
IBM内部でも「ブードゥー」と呼ばれていた、そういったところを研究するようになって来ているということは、「オンデマンド」というのが言葉遊びではないことを示していると思われます。
蛇足ですが、従来の製品・サービスのポートフォリオをそのままにしていても、「ブードゥー」が加味されることで質が変質します。
純粋に技術面だけを見ていると、この辺りは見逃してしまいがちですが、注意が必要だと思います。
パパママとセブンイレブンとの違い、Amazonと他社の違い、ウォルマートと....
これらは、製品ポートフォリオの違いではなく製品ポートフォリオを変化させる仕組みの違いに行き着くのではないでしょうか。
IBMが、オンデマンドだけではなく、SuSeなどオープンソースに積極的になっているのは、そこの所を狙おうとしているように感じられます。
また、こうした動きはIBMだけが作り出しているのではなく、世の中の流れの要請があるということも忘れてはならないでしょう。
そうすると、IBMだけを見て、しかも、IBMのテクニカルなところや単なる事業構成を見て、何も変わっていないと安心したり、仮にIBMが「オンデマンド」を失敗したとして、その方向性を否定することには慎重にならなければならないと思います。