月曜日, 1月 05, 2004

2004年米国経済成長率は4%。本当に?

2004年の米国の経済成長を4%台と見る向きが多い。
なるほど、消費を見てみると夏場は減税の効果などが手伝って堅調だった。減税の効果が一段落したのだろうか9月と10月は微減となっている。しかし、11月には再び増加に転じている。12月の消費も聞くところにようると、高額商品などに消費が向っているという手ごたえがあるとのことなので大きなマイナスということはないものと思われる。加えて、2004年には最大規模の減税が予定されているということからすると、消費が景気の足を引っ張るということは今のところは考えにくい。
それでは、第3四半期に高い伸びを記録した設備投資はどうなのだろうか。今後も高い伸びがあると思っても良いのあろうか。この点を確かめるために、下の図で設備投資に関係する投資財の出荷と受注の動きを見てみた。但し、ここで受注は出荷の先行指標と考えても良いだろうから、1ヵ月前のものをプロットしてある。
この図だけで見ると、設備投資は10-12月は第3四半期程の伸びはどうやら期待出来ない、ということになりそう。もっとも、投資財の動きがそのまま設備投資の流れになるのかと言えばそうではない。だから、良い意味で期待を裏切られるということもあるだろう。
ともあれ、GDPの数字は良い、雇用も動き出している。それは確かなのであるけれども、月次の統計で経済の動きを見ていくと一本調子ということをどうも想像することが出来ない。単に、大統領選挙の年でオリンピックの年でもあるということで4%ということなのか。
もう少しじっくりと様子を見ないと米国経済は2004年内は大丈夫だとは断言出来ないように思えてならない。