日曜日, 1月 14, 2007

苦悩の巡礼 


"Their most urgent problem is that the population has lost confidence that the government of Iraq can and will defend them in an even-handed fashion, whether they are Sunni or Shia."
Al Jazeera,Rice begins talks in Jerusalem,January 14,2007

ライス長官はイスラエルでペレス(Amir Peretz)国防大臣、リーバーマン(Avigdor Lieberman)外務大臣と会談した他、オルメルト(Ehud Olmert)首相とも会談の予定。
先日、表明されたブッシュ大統領による2万人規模のイラク増派計画に対して、ゲーツ国防長官が上院軍事委で宗派間抗争が激減すれば今年後半にも撤退を開始することが出来ると表明している。
イラクの少数派スンニ派とマリク首相を出している多数派シーア派の争いはフセイン元大統領の処刑執行に象徴されるように根深い。
また、この争いに伴う、本来はシーア派に向けられるべき憎悪はスンニ派が多数派を占めるアラブ世界では米国とイスラエルに対して向けられ、かえってフセイン元大統領に英雄の偶像を与えることを許している。
2007年1月13日付の読売新聞はエジプト政治評論家による『米国やイスラエルの域内介入を防げないアラブ指導者に対する大衆の「無力感」』と『各国の指導者側にとっても、既存の政権が崩壊すれば「サダム後のイラクのような混乱が起きると(米国に)警告する狙い」』との意見を紹介し、方向性の異なる官民がフセイン元大統領の礼賛では一致していることを伝えている。
既に介入してしまっている以上、撤退しても撤退しなくても、イラクの治安を支えざるを得ない状況に米国は立っていると言える。

This page is powered by Blogger. Isn't yours?