水曜日, 5月 11, 2005

近いから安易に 

 人とゴリラやチンパンジーは意外に近い関係にある。争いごとを好まない、争いごとが起きそうになると性的交渉によって争いを回避しようという場合が多いとされるボノボもそう。
生まれたばかりの人間の子供とチンパンジーの子供は、親の贔屓目に目を瞑(つむ)って見てみると似ている。そういう話ではなく。
全部まとめて類似猿と呼ばれるくらいだから当たり前と言われればそれまで。
でも、ゴリラやチンパンジーが人間と同じヒト科( Hominidae )に属するという分類方法を聞いたときは、「ふうん」と「あぁ」と「そう」が同時に出た。
それだけ意外だった。
ゴリラはゴリラ属( Gorilla )、チンパンジーとボノボはチンパンジー属( Pan )、そのチンパンジー属とゴリラ属はチンパンジー亜科にまとめられる。そして、人間が分類されているヒト属( Homo )などと合わせてヒト科( Hominidae )に括られている。
括り方、分類の仕方は幾つかの説があるが、ヒトは500万年から1000万年前ごろにゴリラ、チンパンジー、ボノボと枝分かれしたということは共通認識となっている。
2004年11月にはスペインのバルセロナで、クルサフォント古生物学研究所などのチームがチンパンジー、ボノボやゴリラと人( ヒト )との共通の祖先と考えられる、1300万年前の類人猿の頭骨も含む1個体分の約80の骨のほか、数十の骨の化石を発見している。
人( ヒト )がゴリラなどと枝分かれしたのが、500万年から1000万年前だから、1300万年前というと、枝分かれの時代に近い。300万年という時代の長さも1000万年単位の圧倒的な時代スケールの中で考える必要がある。

1948年にアフリカのビクトリア湖のルシンガ島で発見されたプロコンスルが 2000万年前、1992年にエチオピアで発見されたラミダス猿人が440万年前。
その間はミッシングリンク、謎の空白とされていた。遺伝子解析による結果では、人( ヒト )とチンパンジーは約500万年前に枝分かれしたとされている。
2000万年前から440万年前が空白期間で、その間に枝分かれの時期があったと考えられ、その時期は500万年前から1000万年前とされていたのが、遺伝子解析では500万年前とされる。
そこに、スペインで発見されたピエロラピテクス・カタロニクス( Pierolapithecus catalaunicus )が1300万年前という形で、壮大なパズルの中の1つのピースとして新しく嵌(は)め込まれた。
ピエロラピテクス・カタロニクス( Pierolapithecus catalaunicus )は、指はチンパンジーのようで、体つきは大型類人猿のようで、直立姿勢は人のようだとされている( fingers like a chimp, a body like an ape and the upright posture of humans )。
これぞ、まさしく、人( ヒト )とゴリラ、チンパンジーなどとの共通の祖先という感じがしてくる。
こんなふうに、つらつらと辿ってみると、ゴリラやチンパンジー、ボノボと私たち人間は何て近い関係なのだろう。オオカミとイヌとか、チャウチャウと秋田犬ほどには近い関係ではないにしても。
犬の場合だと、イヌ科( Canidae )の中にイヌ亜科( Canini )とキツネ亜科( Vulpini )がある。丁度、ヒト科( Hominidae )にチンパンジー亜科とヒト亜科があるのと同じ。
ということは、オオカミとイヌほどは近くなくても、犬とキツネほどは近いということになる。
人である私たちとチンパンジーなどが犬とキツネの関係の近さと同じ近さにある。

アフリカのカメルーン政府と南アフリカ政府が所有権を争っている4頭のローランドゴリラ達は、こういう事実を知ったらどう思うだろうか。
ニューヨークタイムズが伝えるところによれば、このローランドゴリラは、カメルーンからナイジェリアに密輸されマレーシアに渡った後に、南アフリカの動物園に落ち着いたという。
ローランドゴリラはエボラウィルス( Ebola virus )やヒトによる被害で数が減ってきているとされる。
密輸されたゴリラ達にとっての安住の地は南アフリカの守られた動物園の中なのか、それとも、故郷の森の中なのか、ゴリラ達自身に聞くことが出来れば問題はややこしくはならないだろう。
しかし、確かに発声は出来ないだろうけれど、例えば、米カリフォルニア州ウッドサイドで研究所「ゴリラ基金」を運営するフランシーヌ・パターソン(Francine Patterson)博士はメスのゴリラ「ココ」に1000を超えるとも言われる言葉(語彙)を教えたことで知られている。
限られた範囲では立派にコミュニケーションが出来るわけだ。
同じような方法で、カメルーンと南アフリカの間で紛争となっているゴリラ達にも聞いてみてはどうだろうかという発想を抱いてしまうのは安易な考えなのだろうか。

<<一言主>>
○ペプチドとは、2個以上のアミノ酸が結合して出来た化合物の総称で、タンパク質とアミノ酸の中間の物質。

○ペプチド(peptide)の種類は無限と言われている。

○ペプチド(peptide)は、タンパク質の分解過程で出来る。

○言質[genchi]:げんしつ genshitsu とも。後で証拠となるような約束の言葉。

○ケンタッキーフライドチキンは、1956(昭和31)年に、カーネル・サンダースがケンタッキーで創業した。

○ケンタッキーフライドチキンの日本一号店は1970(昭和45)年の名古屋に開業。

○スンニ派(Sunni)はイスラム教徒の9割を占める。

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