木曜日, 4月 14, 2005

新たな謎 

 宇宙定数(Λ)というのは、弱い重力場において、アインシュタインの重力場方程式とニュートンの万有引力の法則との間のずれを表すもの。
ダークエネルギーがあるおかげで、銀河やガスが自分自身の重力で発生する引力によって、宇宙全体が縮まっていくことが抑えられる。
定数というわけで一定の数ということになる。
このことは宇宙の大きさが一定であるということを示している。ところが、後にハッブルの観測で、宇宙が膨張しているということが明らかになる。
その結果、アインシュタインが宇宙項の導入を生涯で「最大の過ち」(biggest blunder)と語ったというエピソードは有名。
という次第で、宇宙定数の背後にあるダークマターに関しては理論的な説明には便利ではあるけれども、存在はしないのではないのかと考えられてきた。
この考えが2003年に覆る。
宇宙定数に疑問を投げかける結果となったハッブルの名が冠せられたハッブル宇宙望遠鏡による観測で、宇宙の年齢がどうやら90億年程度だということがNASAによって明らかにされたのだ。
宇宙は膨張している。ということは天体がどの位のスピードで遠ざかっているのかということが分かれば、逆算して宇宙が1つの点であった時間を計算することが出来る。
実際には、約326万光年離れた天体が秒速何キロで遠ざかるかを表すハッブル定数の精確な観測によって、従来の50から100とされてきたハッブル定数が70前後まで絞り込まれた。ここから、計算すると、宇宙の年齢は65億年から130億年とされていたのが約90億年。
この90億年という数字のままでは、宇宙が星よりも年齢が若いことになってしまう。
今年になって国立天文台や東京大などの国際観測チームが、ウミヘビ座の方向にある「HE1327-2326」という最古の星を発見している。この星の年齢は130億歳。
この発見を見ても、90億年というのが妥当ではないというのが分かる。
というわけで、アインシュタインは後悔などする必要はなかった。なかったのではあるけれど、それではダークマターというのは一体何者だという疑問は残る。

<<一言主>>
○アインシュタインは光の速さを越えるものは宇宙には存在しないことを発見した。

○光速を越えるものは存在しないという理論はニュートンの重力理論と矛盾する。

○ニュートンは、どんな距離でも重力(G)は即座に伝わると考えた。

○アインシュタインは3次元の空間と1次元の時間が織り成す4次元の時空だとした。
これが「一般相対性理論」。これによってニュートンの考え方と折り合いを付けた。

○アインシュタインは重力の波と光は同じ速度で進むと考えた。

○電磁気力は電気の力と磁気の力を合わせたもの。

○19世紀から電気と磁気の間には共通性があるということが知られていた。

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