火曜日, 4月 05, 2005

限りあるもの 

 石油と一口に言う。普通、この場合の普通というのは一般の専門家ではない市民という意味だけれども、普通は石油という言葉は原油からガソリン、灯油、軽油、重油、潤滑油などの石油製品を思い浮かべる。
それでは、専門家によるとどうなるのか。石油というと余りにも範囲が広すぎるので原油に絞ってみる。
ここが面白い。専門家でも原油とは「こういうものだ」と簡単に定義するのが難しいのだとか。
それは、原油が一定の化合物から構成されていないことに由来する。
原油の中にある炭化水素は350種類。沢山あるので、6種類のグループに区分けされている。
一方、原油の区分け方法で最も利用されているのが重さによって区分けする方法。この方法はアメリカ石油協会(API)によって提案されたので、API法とも呼ばれる。

曰く、
 API度 = ( 141.5 / 60°Fの時の比重 ) ? 131.5

ちょっと難しそうというか、馴染みがなさそう。このAPI度が34以上なら軽質油、30以下なら重質油、その中間ならば中質油。これは馴染みがある。

この石油、起源、つまり何から出来たのか細かい点に関しては色々な説がある。色々な説はあるけれども、化石燃料であるという点は変わらない。つまり、昔、昔の生物が死んで蓄積して化石になって燃料となっているということ。限りがある。
原油(石油)の埋蔵量は1兆バレル前後と見られている。いつ原油(石油)が枯渇するかに関しては、1972年にローマクラブが「成長の限界」で30年という数値を出している。この後30年という年数が現在に至るまで言われ続けている。
30年という年数は、その年の「確認埋蔵量」をその年の「年間生産量」で割った「可採年数」。
原油(石油)の確認埋蔵量は新たな油田の発見などによって横ばい状態。一方、需要のほうは増加している。このために、差し引きで考えて、後30年という年数も横ばいか若干減少ということになっている次第。

ただ、中国の急速な成長による資源需給の逼迫を見ると、この後30年という年数も縮まるのではないかと思えてくる。

昨今の原油価格の高騰は、米国の需要増、中国の需要増など需要側の要因があるとされるだけに、米国産WTI原油の先物価格が一時1バレルで58.28ドルと83年の取引開始以来の最高値を更新という結果やゴールドマン・サックスが2度の石油危機を経験した1970年代の再来を予想し1バレル105ドルもあり得るというリサーチ・ノートを発表していることなど不安な気持ちになる。


<<一言主>>
○細菌類を除くすべての生物の細胞の中には細胞質の基本的構造である細胞骨格と呼ばれるものがある。

○細胞骨格は繊維状のタンパク質。

○細胞骨格には、微小管(microtubule)、微小繊維(actin filament)、中間径フィラメント(intermediate filament)の3種類がある。

○微小管というのは細胞骨格の一種。

○微小管はチューブリンと呼ばれるタンパク質から作られている。

○微小管はチューブリンαとチューブリンβとが結合したヘテロ二量体(ヘテロダイマー)を基本単位としている。

○微小管がチューブリンαとチューブリンβとの結合によって出来ているところから、微小管の動きをコンピュータの半導体素子に喩える考え方もある。

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