火曜日, 5月 11, 2004

アトランティスのこころ 

誰にでも子供だった時代がある。そして、子供時代には1つや2つ不思議な体験があるだろう。それは幼いが故に見ることの出来た幻だったのかもしれない。成長するにつれて作られてしまった記憶であるということもあるだろう。
この映画は、誰もが経験したそうした懐かしい時代を思い起こさせてくれる。題名のアトランティスは消え去った伝説の古代大陸のように消えていった子供時代を意味しているという。そう、子供時代は人生のアトランティス時代でもあるのだ。何が起きたのか大人になるとともに正確に思い起こせなくなる。それと反比例するかのように思い出は輝けるセピア色に染まっていく。
触れることで相手の心の出来る謎の老人テッド(アンソニー・ホプキンス)と彼が下宿する家の息子ボビー(アントン・イェルチン)を中心として物語は進行していく。テッドを訝しがる母のリズ(ホープ・デイビス)、ボビーの親友サリー(ウィル・ロスハー)そして初恋の少女キャロル(ミカ・ブーレム)が思い出を彩る。テッドに迫る魔の手と、守ろうとするボビー。物語のもう一つの軸はボビーとキャロルの物語。この辺りはこの作品が単なる不思議物に留まっていないことを示している。
キャロルの娘とホビーとの最後の再会のシーンは、二度と会うことのなかった謎の老人テッドとの思い出をより一層幻の中に押し込めている。
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2002,ワーナー
監督: スコット・ヒックス Scott Hicks /製作: ケリー・ヘイセン/製作総指揮: ブルース・バーマン Bruce Berman / マイケル・フリン Michael Flynn
原作: スティーヴン・キング Stephen King /脚本: ウィリアム・ゴールドマン William Goldman /撮影: ピョートル・ソボチンスキー Piotr Sobocinski / アレン・ダヴィオー Allen Daviau  (クレジットなし) / エマニュエル・ルベッキ Emmanuel Lubezki  (クレジットなし) /編集: ピップ・カーメル Pip Karmel /音楽: マイケル・ダナ Mychael Danna  
出演: アンソニー・ホプキンス Anthony Hopkins テッド・ブローティガン/ホープ・デイヴィス Hope Davis リズ・ガーフィールド /デヴィッド・モース David Morse ボビー・ガーフィールド /アントン・イェルチン Anton Yelchin ボビー・ガーフィールド(少年時代) /ミカ・ブーレム Mika Boorem キャロル・ガーバー /アラン・テュディック Alan Tudyk モンティ・マン /アダム・ルフェーヴル Adam LeFevre ドナルド・ビーダーマン /トム・バウアー Tom Bower レン・ファイルズ /セリア・ウェストン Celia Weston アレイナ・ファイルズ /ティモシー・レイフシュナイダー Timothy Reifsnyder ハリー・ドゥーリン /ウィル・ロスハー Will Rothhaar サリー=ジョン

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