木曜日, 4月 01, 2004

ウェブは宝の山 

IEEE SpectrumのWinner-Loser-Holy Grailでは通信、電力、半導体、交通、コンピューティング、バイオエンジニアリング、の6分野で、2004年を予測して、「勝者」「敗者」「実現が難しい(Holy Grail)」の3つを選んでいます。
そこで、コンピューティングの勝者とされているのはIBMのWeb Fountain。
全てのウェブ情報に意味を付けてしまおう、つまりはメタタグを付けてしまおうというもの。語弊があるやもしれませんが、ウェブ空間をXML化しようという試み。
このプロジェクトを紹介している"How Big Blue Is Turning Geeks Into Gold"には、IBMがこのプロジェクトに200名の人員を投入しているということが紹介されています。IBMが目指す所は"transform the huge amounts of structured and unstructured data available on the Web into business trends."という壮大なもの。しかし、その成果を切り売りし始めていることや、将来的にはパッケージ化することも考えているようです。情報を整理し意味のある形にするということは、いわばITが苦手としてきた所。今までの多くのITが担ってきたのは膨大な情報を人間の指示通りに整形して結果を出すことで、その結果から何を読み取るかということは結局は人の頭脳に頼っていたと言っても良いでしょう。データマイニングのツールも性能の良いものが数多くあります。そうした技術をウェブというとてつもなく巨大なカオス空間の整理のために用いて、ビジネストレンドを抽出する。単なるコストカット、省力化のITを超えた売上を向上させるIT、付加価値を高めるITの萌芽はここにも見ることが出来ます。

[参考]
■セマンティック・ウェブ(Semantic Web):2002年にティム・バーナーズ・リー(Tim Berners-Lee)が提唱たウェブの情報に対して、メタデータという機械可読式目録のようなデータを入力することで、ウェブ空間全体を単一のデータベースのように扱おうというもの。
Web検索技術でマネーロンダリングに挑む - IBMのWebFountainが金融機関に:『WebFountainは、ローカルデータからインターネット上の情報まで各種の情報を検索、自然言語処理、統計、確率、パターン認識、人工知能(AI)などを駆使してさまざまな角度から分析することができる検索・分析技術』と紹介し、Semagixのマネーロンダリング(資金洗浄)対策ソフトCIRAS(Customer Information and Risk Assessment System)との組み合わせによって『Web上の一見無関係にみえる膨大な情報と取引を行う顧客の情報とをリンクさせることが可能』と。
WebFountainを5年間を掛けて開発したアルマンデン研究所(Almaden Research Center)
"IBM's WebFountain of Knowledge"ではGoogleに代表される検索エンジンビジネスの限界を突破する新技術というようなニュアンスでの紹介。この記事によってWebFountainが一般にも脚光を浴びるようになったとも。

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