火曜日, 3月 09, 2004

波紋を広げる鳥インフルエンザ 

「鳥インフルエンザ問題で揺れている兵庫県姫路の浅田農産の会長夫婦が8日に自殺というのは大きな衝撃。
遺書に従業員の給料を心配する内容があったというから最期まで従業員のことを心配していたであろう人柄の一端が伺えるわ」
「事実関係の確認や責任の問題を含めてこれからだからね。その中での自殺というのは残念。
浅田農産は京都じゃなかったの?」
「鳥インフルエンザの問題が発生したのは京都の丹波。でも浅田農産の本社は姫路のようよ。
そういえば、カラスにも感染していたらしいわ。
ところで、インフルエンザといわゆる風邪とはどういう違いがあるの?」
「インフルエンザ(influenza)というのは、インフルエンザウィルスによる呼吸器感染症。風邪はインフルエンザ(influenza)以外のウィルスによる呼吸器感染症。風邪の半分から3分の1はライノウイルス(rhinovirus)と言われているけど、このライノウイルス(rhinovirus)に感染するといわゆる鼻かぜの症状になる。
そもそも、ライノ(rhino)というのは鼻という意味だからね」
「何だか違いがないみたいに聞こえるんだけど。
インフルエンザにはA型とB型とC型という3つの型があるっていうわね」
「C型というのは流行するということはあまりないと言われるけどね。
それから、A型とB型というけど、沢山のバージョンがある。
なんでも、インフルエンザウィルスの表面にHスパイク、Nスパイクという2種類の突起物があって、これが変化することで新種誕生と相成るらしい。
HというのはA型の場合には、ヘマグルチニン(HA)、Nはノイラミニダーゼ(NA)。それぞれHで15種類、Nで2種類あると言われる。一方、B型の場合は多種多様。
だから、A型とB型とC型と3つの分類があるといっても様々な新種があるということだね。
でも、人間に感染するという観点からいうと種類が限定されてくる。これはHで3種類、Nで2種類。さらに確認されているのは、H1N1、H2N2、H3N2。H1N1は1977年から1978年に流行しAソ連型と呼ばれ、H3N2は1968年から1969年に流行ってA香港型と言われるね。1997年に香港で発見されたH5N1というのもあるけど、とにかく種類は限られていると言える。
1918年から1919年に大流行したスペインかぜはH1N1型、1957年から1958年にかけて猛威を振るったアジアかぜはH2N2。浅田農産で見つかったのはH5N1型、カラスから検出されたのはH5型でN1かどうかは調査中というね」
「ライノウイルスだって沢山あるんでしょ?」
「うん。
ライノウィルスはピコルナウイルス(Picornavirus)科に属するけど、このピコルナウイルス(Picornavirus)科には5つの種類がある。
まずライノウイルス(rhinovirus)、それからエンテロウイルス(enterovirus)、アフトウイルス(aphthovirus)、カルジオウイルス(cardiovirus)、そして以前はエンテロウイルス72型としてエンテロウイルス属とされていたヘパトウイルス属。
そのうち、人間に感染して悪さをするのは、エンテロウイルス属,ライノウイルス属,ヘパトウイルス属の3つ」
「で、そのライノにも沢山種類があると。
ピコルナってスコルバみたいな名前だけど小さいって意味のピコと関係あるの?」
「小さいRNAでピコルナ。
でね、インフルエンザは基本型、さっきのA、B、Cだけど、そういう基本型があってそこから亜種が出てくる。
これに対して、ライノの場合は数百種類の血清型が存在すると言われている。
インフルエンザは種類が少なくワクチンで対応可能だけれども症状が重い。ライノの場合は種類が多くてワクチンでは対応することは不可能に近いけれども症状は軽いということになるかな」
「鳥インフルエンザというのは?」
「A型。
日本ではH5、H7型が急性で罹病率及び致死率の高いという理由で高病原性鳥インフルエンザとして家畜伝染病予防法で家畜伝染病に指定されている」

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