火曜日, 3月 30, 2004

乗り物酔い 

「私、乗り物酔いするのよね。電車や飛行機は大丈夫なんだけど。車は駄目。この前、2時間も車にずっと乗る羽目になったんだけど最悪。
船もだめだなぁ」
「僕は、あまり乗り物に酔ったという記憶はないなあ」
「それって、忘れているだけなんじゃない?」
「失敬な。
車でも酔わないし、酔ったことがない。船も。北海道の焼尻島に行く時に波が荒くて船が結構揺れたんだけど何ともなかった。
揺れるのが気持ち良いということはないけどね。揺れても気分が非常に悪くなるってことはまずない。
一度だけ、プロペラ飛行機に乗った時に、飛行機の離陸時にすっごく揺れて、その時は『エチケット袋』に手を伸ばそうとしたことがある。
酔った、あるいは酔いそうになったというのは、記憶にある限りではその時だけかな」
「乗り物酔いに男女差ってあるのかしら。
ほら、女の人は気を失い易いけど、男の人はなかなか気を失うということはないとかって言うでしょ。
そういう違いって乗り物酔いにはあるのかしら」
「乗物酔い(Motion Sickness)、別名、加速度病または動揺病というのは、耳の奥にある前半規管、後半規管、外側半規管からなる三半規管のために起るとされているようだね。この三半規管は丁度ジャイロのような役割をしていて、体の傾き具合を前庭神経核っていう神経の束に伝える。ピッピッてね。そこから情報が小脳に行って小脳が体の傾きを修正する。こうした一連の機能に狂いが生じてしまうというのが乗り物酔いなんだってされている」
「小脳が担うのは反射的な動きよね。これは、大脳で十分に学習され尽くして、行動の定式化が完成したものを小脳が大脳から受け継いで担う。
いわばテンプレート化された行動様式ね。
だけど、テンプレート化されていない行動様式には小脳は対応することは出来ないのよね。こうしたテンプレート化されていない行動様式の一つに電車に乗るとか船に乗るとかいうことがあるわけね」
「テンプレート化された行動を小脳が担うなんて洒落た表現を使うね。
でも、そうなんだろうね。
ということはだ、乗り物酔いも、乗り物に慣れてくると、それに対応する行動がテンプレート化されるということになるわけで、無くなってしまうとか軽くなるということになる」
「そうよね。
それで、そこのところに男女差があるのかなぁって」
「男女差は無いけれども年齢差があると言われているらしいよ。でもね、偏頭痛を持っている人は乗り物酔いし易いって言われているんだ。
そして、偏頭痛を持っている人は成人では女性のほうが比率が高い。そうすると、ひょっとすると、女性のほうが乗り物酔いになり易いということもありうるのかもしれない。
この辺りは専門家の説ではなくて、完全に素人の僕の憶測、空想だけど」


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列島縦断 毎日が乗り物酔い ラピタ・ブックス
杉崎 行恭
う〜ん。なんとも羨ましい。。。

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