火曜日, 2月 24, 2004

熱の島 

「日曜日に関東地方で春二番が吹いたってね。
この冬は何だか異常気象。東京なんか冬日が無いんじゃないの。
冬じゃないみたいに毎日暖かいよね。その一方で北海道の千歳空港は吹雪で欠航(23日)になっている。1月14日にも欠航だったから二度目?
欠航なんてことが、こんな短期間に起こるというのは、異常気象に違いない」
「北海道を含めてのことは別として、東京の冬が暖かかったというのはヒートアイランド現象によるものだって考えられているみたい。
異常気象ということも原因の一つではあるのだろうけど、こと東京に限ってはヒートアイランド現象の影響が強いだろうって」
「古都、東京?京都や奈良じゃなくて。ここ東京が古都東京?」
「古都じゃなくて、ことね。殊」
「分かってるって。
都会はアスファルトが地表を覆い尽くしている。そのアスファルトが昼間は太陽の熱射によって深層まで高温となる。そして、夜になると、今度は逆に蓄積された熱を放出するというんでしょ。
こうした現象は、かなり昔から指摘されている。しかも、夏よりも冬のほうが都市部と周辺部の気温差が大きくなると指摘されている」
「それだけだと、昼夜の気温差よね。
それだけではなくて、都会の人々が様々な暖房器具を使うでしょ。暖房器具だけではなくて、熱を発生する機器を多く使用する。その数が都会では馬鹿にならない」
「都会の建築物はコンクリートで出来ているから、そうした熱を複雑に反射するしね。放出された熱が複雑に反射されることで建築物自身も熱を持つことになる。
それに、都会というのは樹木が生い茂っていないわけでから水分の蒸発による熱の発散ということもない」
「樹木が生い茂っていないだけじゃなくて、地面そのものがアスファルトで覆われているわけで、熱がなおさら篭りやすい。
都市の中心部は『熱の島』となっているんだって。また、気温の上昇だけではなくて、その他の色々な現象を巻き起こしているらしいわよ」


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ヒートアイランド―灼熱化する巨大都市 ブルーバックス
斎藤 武雄 (著)

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