金曜日, 2月 20, 2004

石油について考える 

「今日、地震で火災になった北海道の苫小牧の出光興産北海道製油所で原油から出るスロップ(Slop)が1万リットルほど流出したそうよ」
「2003年9月の十勝沖地震の時に火災があったタンクの近くらしいね。
地震の影響で配管に亀裂が入っていたかもしれないという話しもあるみたい」
「原油を精製することでガソリン、灯油、重油などの石油製品になる。つまり、原油が石油製品の源。
で、今回の事故で流出したスロップ(Slop)というのは石油と水それから沈殿物の混合したもの。原油と混入している水を重力分離して原油だけを分離する。そして、分離後の水を更にスロップ・タンク(SLOP TANK)で残っている原油を分離するということを繰り返す。
で、紛らわしいのが原油と石油との区別よね」
「石油は自然生成物である鉱物油の総称だね。
原油と天然ガソリンを合わせて石油と言うと分かりやすい。但し、石油には石油製品が含まれるから、石油イコール原油プラス天然ガソリンとはならないけど」
「ちなみに、日本は原油を248,496千キロリットル輸入して239,307千キロリットルを消費している。つまり石油製品に変えている。日本でも生産をしている分が820千キロリットルあるんだけどね。
その大量に輸入された原油からスロップをどんどん分離していって、その後で沸点の差を利用して蒸留装置や分解装置で色々な石油製品に精製されていく」
「そうやって多くのエネルギー材料を生み出す原油だけど、どうやって出来たのかってことに関しては2つの説がある。2つの説があるってことは完全に解明されているというわけではないということなんだけど。
有力なのは有機起源説。一般に知られているのも、こちらの有機起源説だね。この考え方によると、プランクトンの死骸が海底に蓄積し様々な力によって原油が形成されたというもの。ということは、現在、原油が吹き出ているところというのは、かつては海の底だったってことになる。
もう一つの考え方は、炭酸ガスを含む水がアルカリ金属と高温・高圧という環境の下で化学反応を起こして出来たんだというもの。こちらは無機起源説なんて言われている」


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石油神話―時代は天然ガスへ 文春新書
藤 和彦 (著)
メジャー神話、OPEC神話、枯渇神話という石油に関する3つの神話は改めなければならない時期に入っているという....
しかし、身の回りの生活に何と石油製品の多いことでしょう。

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