木曜日, 2月 19, 2004

青は時を刻む 

「『上海が世界最大のノートPC生産基地に、台湾3社覇権争い』という記事があったけど、これを上海が、『世界最大のノートPC』を、生産する基地になったと読み間違えるのは私だけ?」
「いや、これは傑作。
ひょっとすると、ウケを狙って題をつけたかな。まさか、それはないだろうけど。
言葉って、こういうところが面白いね。
あまりに大きいから中国で作ったほうが良いのだろうな、とか。それに、陸上輸送は道路の関係で大変だから上海なのか、とか。
ない、ない」
「それはそれとして。
生物の時間概念は脳の中で放出されるタンパク質の周期が原因というわね。
生物の体の中には、こうした体内時計が無数にあって、どうやら相互に時間を調整しあっているのだって」
「渡り鳥が方角を正確に知ることが出来るのも、自分の中にある時計と太陽の位置によって方角を確かめているんだっていうよね。
人間にも、そうした時計のメカニズムが備わっていて、時差ボケというのは、そのメカニズムに調整できない狂いが生じたという結果らしい」
「人間の生活時間は25時間でそれを1日単位で調整しているというものね。でも、振り子時計で時を刻むということがタンパク質の放出の周期的パターンによって生み出されているというのは面白い」
「体内時計っていったけど、おおむね1日という意味で概日時計と呼ばれているんだよね。
渡り鳥や人間だけではなくて、そして哺乳類だけではなくて地球上の生物は全て、この
概日時計を持っていると言われている。
そして、その概日時計は外部刺激入力系である光受容器から光刺激を受け取って、その刺激を時計発振を行う振動体で周期的振動を作り出して、リズム発現系である出力機構から時計信号が出される。
ここで、発振部分でクリプトクローム(Cryptochrome;CRY)という網膜にある色素が振動の発生に関係しているということらしい」
「クリプトクローム(Cryptochrome;CRY)は波長420ナノメートルの青い光を吸収するのよね。それに、クリプトクローム(Cryptochrome;CRY)は網膜だけではなくて皮膚にも、そして脳の中にもある。これらが相互に連携しあって時間を調整しているという、そういうことらしいわね」
「すると、青い色を沢山見せたりすると時間を錯覚するようになるのかもね。
イタリアの青の洞窟なんかに長い時間いると時間の感覚が狂うとか。さっき昼ご飯を食べたばかりなのに、洞窟を出たらもう一度スパゲッティを食べたくなるとか」
「そうなるのはあなただけ」


cover

時間の分子生物学 講談社現代新書
粂 和彦 (著)

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