火曜日, 1月 06, 2004

S倉迷妄通信 笙野頼子 

笙野頼子の日常を笙野頼子が綴る。雑司が谷から千葉のS倉へ越してからの日常を描いているのだけれども、そこはただの作家ではない笙野頼子。日常を描いているのであるのだろうが、そこがまた非日常の趣き。一体どこまでが事実である日常でどこまでが小説としての日常なのか。はたまた、そもそも全ての日常が小説的であるというのか。
「S倉迷妄通信」、「S倉妄神参道」そして「S倉迷宮完結」の三部作が収められている。
しかし、私のお薦めはそこかしこに散りばめられた4匹の猫達の写真の数々。これがまた可愛らしくて微笑ましい。写真を見ては笙野頼子の日常を読みと、繰り返しているうちに自分の日常までも非日常化していくような錯覚に。


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