火曜日, 1月 13, 2004

フューチャー・イズ・ワイルド 

2億年後の地球!人類が消えた後の世界を描いた作品。
著者はあの「アフターマン」と同じ。
ちょっと想像すら出来そうにもない2億年後の世界を描く、しかも何だこれはという生き物の絵ばかり。ウルトラマンの怪獣図鑑を見ているかのよう。
しかし、怪獣図鑑とは一味違う。いや一味も二味も違う。
少し間違えるとトンデモ本になりそうなところでありそうなところが、そうはなっていないのは、この本が一応きちんとした科学的根拠を以って想像されているからだろう。
一応と言ったのは、科学的想像力というところを読者たる私が慣れていないために判断出来ないという勝手な理由による。
これは否定的な意味ではない。
科学的であるかどうかを別として面白いのだ。自分でもあれこれと想像してしまう。ページを捲る前に想像する。これがアリならこういうのもアリだろうとか。絵を目にする前に本の記述から、きっとこうに違いないとか。
一通り読み終わった後でも、こうなるんじゃないかなど。
中でも、8トンもある現代の動物で喩えるならば象のようなと形容されるイカが陸上を歩くというのには度肝を抜かれた。何故、イカなのか。タコではいけないのか。
ひょっとすると、イカ=火星人的な発想ではないのか。
しかし、陸上の生物が海から陸へ進出してきたという歴史を鑑みるならばイカが陸に進出するということは何ら不思議ではないのだという。
イカは海から陸へ進出する最後の残された生物の最有力候補であるということかもしれない。しかし、本当に何故イカなのだろう。気になって仕方がない。
ふにゃふにゃではないのか。ふにゃふにゃは関係ないのか。非常に読者たる私は非科学的発想から、常識という名の無からなかなかに抜け出すことが出来ない。
それでも、楽しい想像が膨らんでいく。
最後に、人類亡き後の最高の知性がイカになるという想像も意外の3乗根。
今日からイカを食べるのを後々のために少し止めようかと考えたら、この本の舞台は人類亡き後の話であることを思い出した。
それでは、イカの塩辛を食べようか。やはり、少し辞めておこう。


cover


ドゥーガル・ディクソン (著), ジョン・アダムス (著), 松井 孝典 (編集), 土屋 晶子 (翻訳)

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