月曜日, 1月 05, 2004

あの世 この世 瀬戸内 寂聴,玄侑 宗久 

「聖徳太子の法」:色々な人の話を聞くと、かえって一人一人の話が気にならなくなる。そこから、ものは考えようであり、悪く言われたら良いように解釈して前向きに考えようという。

NHK「ETVスペシャル」で放送された対談などを収録したもの。題名の通りに宗教的な話題が中心。但し、宗教的とはいってもほんわかとしている。
自分を愛するということに関して、瀬戸内 寂聴さんが美輪明宏さんに教わったという鏡を見るようにすると自然と自分が可愛くなるということを紹介。これに対して、玄侑さんが語る「聖徳太子の法」というのが面白い。なんなのだそれは、と思わず本を近づけて読み入ってしまった。聖徳太子は様々な人の意見を一度に聞いたとされている。聞くだけ、いや聴くだけなら凡人でも可能だろう。聖徳太子の厩戸皇子ではなく聖徳太子たるところは、全てを聞き分けたというところにある。しかし、ここで玄侑さんが言うところの「聖徳太子の法」というのは少し違う。色々な人の話を聞くと、かえって一人一人の話が気にならなくなる。そこから、ものは考えようであり、悪く言われたら良いように解釈して前向きに考えようという。そういうことなのだそうだ。
ある種、独特な解釈なのではあるのだろう。
それ故に、新鮮な気がした。
この種のことはしばしば言われることであり始めて聴く、いや聞く内容ではない。初めての内容ではないのだけれども、そこに聖徳太子を絡めたことで、何とは無しに妙に納得してしまった。


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