月曜日, 12月 29, 2003

歴史の方程式―科学は大事件を予知できるか マーク ブキャナン  

歴史に法則性はあるのか。いや、歴史は不可逆的な現象だから法則性などありはしない。
それでは、歴史には人類の智慧の結晶でもある科学の積み重ねられた成果を適用することは出来ないのか。
そうした思いをすっきりと晴らしてくれる書。
もっとも、このような書籍が出ることも、歴史に法則性があるのだと言い切れるようになったのも最近に至るまでの科学の成果の賜物。
著者は、地震、山火事などの自然現象も、景気循環、都市の発達などの人間の意志が介在する事象も、自然界に遍在する「冪乗則」という、同じ法則に従って起こっているとする。
この、「冪乗則」というのはハーバードの言語の教授ジョージ・キングズレーZipf(1902-1950)が発見した法則。もともとは、文書中の語を出現頻度順に並べて順序をつけると、その順位rと頻度fの積が定数Cになるという次のような経験則のことを指した。
しかし、広く都市の集積に関しても応用できるということはクルーグマンも指摘しているところ。

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