木曜日, 10月 02, 2003

京様式経営

CNET Japan 本社フォーラムでの、「ITの考え方がビジネスをリードする時代へ」「ITを導入するのではなく、ITの考え方を導入するということ」
というフレーズは流れを見事に表現していると感じた。

ただ、日本の大企業では
「日本の場合、企業間関係のオープン化の問題を解決しないまま、製品のオープン化に進もうとする問題を抱えている」という点を考えると、換骨堕胎のIT化になるのかもしれない。

「京様式経営」と分類される企業、京セラ、ローム、日本電産、村田製作所、堀場製作所、オムロン、日本電池などは、富士通、NEC、日立、東芝、三菱電機、松下電器産業、ソニーと比較して、10年間の変化を見ると、売上高の成長は3倍、売上高営業利益率で4倍、総資産利益率(ROA)で5倍から7倍とされます(『京様式経営』より)。
これは10年間の比較ということだが、本当にそんなに差があるのかと思えるほどの差。

企業の最初のS字カーブに乗っているだけかというと、そうでもなく「京様式経営」企業の歴史は結構古かったりする。

京セラが1959年、ローム(東洋電具製作所)が1954年、日本電産が1973年、村田製作所は1944年、オムロン(立石電機)が1930年、堀場製作所(堀場無線研)が1945年、日本電池が1895年(島津創業者2代目島津源蔵)。

そうすると、やはり「京様式経営」という分類がなり立つ?
首都東京に先駆けること3年、しかも行政抜きで、明治2(1869)年に64もの「番組小学校」を町衆の手で作ったような自律的風土があるように思える。
そういうものが、ひょっとすると土台になっているのかも。
非主流のなせるところと言っても良いかもしれない。
「名古屋」はどうなのだろうか?
「札幌式」というのも「オープン化」を利用しているように思えるが、「札幌
式」と言えるまでに成長するのか興味があるところ。

果たして、この「京様式経営」は「東京式経営」の範となることが出来るのか。
囲むことで利益を享受して成長してきた企業が壁を取り払うのは、バンジージャンプを飛ぶような勇気がいるだろう。