木曜日, 10月 02, 2003

富士通は人が鍵


「生産性の効果 IBMの場合」で触れたIBMの売上高の変化の要因分解について2002年までを計算してみる。


あくまで試算(*1)の域を出ないということを肝に銘じた上で、2001年に生産性は低下したが翌年には一気に上昇していることが分かる。一方で、設備ストックは99年から売上に寄与した動きをしていない。
同じものを富士通に関して計算してみる。
計算に使用したデータ期間は1987年から2002年まで。IBMのグラフと同じく、赤線は売上高の伸び。棒のなかで赤っぽいのは設備(ストック)要因、青いのは人的要因、白抜き(茶色)になっているのが全要素生産性。

富士通の場合は設備ストックがうまく活かされているようには思えない結果になっている。2001年と2002年の2ヵ年は有形固定資産の寄与が高まっているが逆に生産性上昇による効果が大きくマイナスになってしまっている。
また、図では分からないが、従業員数と有形固定資産とにかかる係数について、富士通とIBMとを比較してみて分かることは富士通のほうがIBMよりも人的要因の寄与が大きいということ。

もっとも、これはあくまでも試算。

(*1)コブ=ダグラス型生産関数を推計した上で計算。その時の設備ストックは有形固定資産から土地+土地改良費を除いたものを使用。
\c:\\web\FJ.xls,IBM.xls