ゴシックの図像

「中世芸術は象徴的言語である。」
「カタコンベの時代から、キリスト教芸術は象徴によって語りかけてきた。一つの事物を示しながら、それによって別の事物を見させようとするのである。神学者ならこう言うだろう。聖書の文字の下に深い意味を隠し、自然自体が一つの教えとなることを欲した神を芸術家は手本にしなければならない、と」
エミール・マール著、田中仁彦ほか訳『ゴシックの図像学』国書刊行会.1998
中世ヨーロッパでは、世界は神の手による書籍と見なされた。中世美術が写実的な古典主義を離れ不可視な由縁がここにある。