ティツィアーノ

Tiziano Vecellio(1490頃-1576)。
ベッリーニ工房に学び続いてジョルジョーネと活動を共にする。そして、16世紀ヴェネツィア画壇の筆頭として頭角を顕す。サンタ・マリア・ディ・フラーリ聖堂『聖母被昇天』(1518)は彼のアルカイスズムから盛期ルネサンスへの移行を示し、1540年代のマニエリスムの影響を経て、マニエリスムと対照的な感情性を重視した「魔術的印象主義」と呼ばれる独自様式を確立していった。これにはパトロンとなった神聖ローマ皇帝カール5世、嗣子のスペイン王フェリペ2世の影響があったといえる。