水曜日, 12月 10, 2003

血のめぐりが悪くて株価も低めに





日経平均、11月25日以来の1万円割れ」(日経新聞社web)
に関連して。

短期的には幾つかの要因がありますが、長期的には「お金のめぐりが悪くなっている」ということが挙げられます。
この点を簡単なグラフで示してみたのが上のもの。
まず、世の中にどの程度のマネーが蠢いているのかを示したのが上のグラフ。
夏頃までは上昇トレンドですがそれ以後は勢いに欠けています。

世の中に出回っているマネーの全部を日銀がコントロール出来るということはありません。ですから、マネーのめぐりの悪さを全て日銀のせいには出来ません。

そこで、日銀のコントロールが行き届く通貨発行高と日銀当座預金の合計の推移を見たものが下の図です(前年同期比)。
昨年から絞りに絞ったものを今年の初めにアクセルをふかして、6月にはアクセルをふかすのを渋っているのが分かります。

景気が悪くなると、あるいは悪くなる寸前で金融のアクセルをふかし、景気が過熱気味になり始めたところでブレーキを踏むというのが経済運営の王道。しかし、上のグラフを見るとマネーの動きは単に景気の動き、ここでは株価ですけど、その株価に追随して動いているだけのように感じてしまいます。
景気が悪くなったら引き締めてというパターンです。こうしてしまうと、単に景気に追随しているというよりも、景気をさらに悪い底へと突き落とすような動きをしていると言っても言い過ぎではないでしょう。