金曜日, 10月 03, 2003

情報化による社会変化


1980年にアルビン・トフラーがその著作「第三の波」のなかにおいて予想した,情報化による社会変化が日毎に現実化している. アルビン・トフラーは「人類はこれまで大変革の波を2度経験してきた」と述べ,第1の波を農業革命,第2の波を2度の産業革命とし大量生産,大規模化, 中央集権,標準化・均一化,規格化・分業化がなされ生産性が急速に上昇したとする. そして,彼の指摘する第3の波が多品種・少量生産,地方分権,自由化・個性化・多様化を特徴とする情報革命であるとする. 過去において,この種の第3の波の開花,情報化時代の到来が叫ばれたことがある. しかし,その本格的開花は90年代米国におけるIT革命を待たなければならなかった.

発明された製品が国民の25%に浸透するまでの年数
 
発明年
普及にかかった年数
電気
1873
45
電話
1876
35
自動車
1886
55
飛行機
1903
64
テレビ
1926
26
PC
1975
16
携帯電話
1983
13
internet
1991
7


インターネットの普及は様々な他の要因と複雑に絡み合って経済に大きな影響を及ぼしている. かつて,米国における資本主義展開の嚆矢となった電話や戦後経済の象徴的存在である自動車の普及も確かに当時の経済にあらゆる意味において大きな影響を与えた. 今日のインターネットを中心としたIT革命の最も大きく異なる点はそのスピードにある. 電気は発明から広く普及するまでに45年の歳月を要した.今日のネットワーク経済の先行事例である電話については35年.大量生産大量消費の典型的産業となった自動車の普及には55年かかった. この普及のスピードは市場経済のスピードを反映するかのごとく高速化されていった. PCの普及には16年であったが,携帯電話の普及にはさらに縮まり13年しかかからず,インターネットの普及はたったの7年である. この普及スピードの高速化に伴って,各製品の与えるインパクトはスピードに反比例して大きくなっていったといえる.