J.A.D. Ingres (1780-1867)

19世紀フランスの新古典派の画家。
モントーバン(Montauban)で、蛙の子は蛙というわけではないけど、一応は芸術家の子供として生を受ける。
父親は名を留めるには至らなかったものの、子供のIngresのほうはJacques Louis Davidの門を叩いたのが幸いしたのか、めきめきと才能を現した。
これを契機に、ローマに行き(1806-1820)、芸術家としての腕を磨く。
ローマでの成果っていうのは、それだけじゃなく、ルネサンスの巨匠ラファエロの影響を大きく受けたってところにある。
ラファエロっていうのは、本当に後世にいろんな人に大きな影響を与えつづけている。
だから、Ingresの画風には先生のLouis Davidとラファエロの影響が色濃く存在しているってことになるわけ。
そして、故国フランスへと戻ってくる。
フランスでは、Eugene Delacroixの新ロマン主義と対立する新古典主義のドンと見なされるようになるんだ。この二人、生涯のライバルで、1855年のパリ万国博覧会では揃って金賞に輝いている。
まぁいい出だしだ。
と言いたいところだけど、絵の代金を巡るトラブルがあったりして、もうパリはいやだっていうんで、フランス・アカデミーの在ローマ責任者となって、再びローマへ。
さしずめ、2つの顔を持つ男ってところ。
ラファエロの影響っていうのは非常に大きいって言ったけど、このIngresの後世への影響も無視できないほどすごく大きい。
だって、ルノアールや、あのピカソだってアングル(Ingres)の影響を受けているんだから。