Franz Ittenbach

Drachenfels(竜の岩)の城砦で知られるケーニヒスヴィンター(Konigswinter)で1813年に生まれる。19歳のときにデュッセルドルフのアカデミーで校長のFriedrich Wilhelm Schadow(1789-1862)から指導を受けている。
このFriedrich Wilhelm Schadowは彫刻家として知られるJohann Gottfried Schadow(1764-1850)の息子。
宗教心のある画家は世界中に数多いるが、特にIttenbachは非常に信仰心が厚かったことが知られている。例えば、彼は神話や異教に題材を求めた作品に対して頑なに報酬を求めなかったと言われている。このことは、彼の作品に数枚の肖像画が知られている。しかし、そのような肖像画は彼の作品の中で重要なものではなく、彼の主要作品はあくまでも教会の装飾であると考えられていることからも分かる。
このように、Ittenbachは教会の装飾に力を注いでおり、ボンにあるSt. Remigius教会の作品などは特に傑作として知られている。また、「聖家族」と呼ばれる、リヒテンシュタイン大公のために1861年に制作された作品も傑作と言って良いだろう。
こうしたことは、父親の血を引いているのかもしれない。