
ARCHION[アーチオン]は, 日野自動車と三菱ふそうトラック・バスの経営統合により誕生した商用車分野の共同持株会社.法人としての設立は2025年6月2日[準備会社「AIB株式会社」として設立], 事業開始は2026年4月1日で, 本社は東京都品川区に置かれ, 東京証券取引所プライム市場に2026年4月1日に上場.持株会社は日野と三菱ふそうの株式を100%保有する完全子会社構造をとる.

統合の背景には, CASE[コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化]への対応やカーボンニュートラル規制の強化により開発投資が巨額化し, 単独企業では技術開発・資本負担の両面で競争維持が困難になったという構造的要因がある.加えて, 日野における認証不正問題への対応や, グローバル競争の激化も統合を後押しした.2023年5月30日に4社間で経営統合に関する基本合意書が締結されたが, 国内外の競争法に基づく許認可の取得に時間がかかっていることや, 日野自動車エンジン不正問題への対応が続いていたことから, 2024年2月29日に最終契約の締結が無期限で延期された.その後, 2025年1月に日野自動車が米国当局との訴訟において和解が成立したことを機に統合協議が再び進展し, 同年6月10日に最終合意が締結された.
株主構成は, ダイムラー・トラック[Daimler Truck AG]とトヨタ自動車がそれぞれ持分比率25%を保有する方針となっている.公正取引委員会は2026年2月26日に経営統合を承認したが, 有力な競争相手が不在にならないよう, 新会社がスウェーデンの商用車大手スカニア[Scania AB]の販売およびアフターサービスを支援することを条件とした.

経営体制については, 代表取締役・最高経営責任者[CEO]に三菱ふそう代表取締役社長兼CEOのカール・デッペン[Karl Deppen], 代表取締役・最高財務責任者[CFO]にダイムラー・トラック・グループ出身で三菱ふそうトラック・バスで副社長・財務責任者[CFO]を務めたヘタル・ラリギ[Hetal Lalligee], 取締役・最高技術責任者[CTO]にトヨタ自動車出身で日野自動車の社長を務めた小木曽聡が就任.燃料電池をはじめとするゼロエミッション技術や自動運転などのCASE領域における協業を進め, 各ブランドの強みを組み合わせたシナジー創出を目指す.日野および三菱ふそうのブランドは引き続き維持しつつ, プラットフォームの共通化や開発・調達・生産の統合によって規模の経済を確立し, コスト効率と技術競争力の両立を図る.
社名「ARCHION[アーチオン]」は, 英語で弓型の構造物を意味する「ARCH」と, 遠い過去から未来まで続く様子を意味する「EON[ION]」を融合させた造語である.会社とステークホルダー, そして三菱ふそうと日野をつなぐ絆を表すとともに, 輸送の未来を創造し, よりよい暮らしを次世代に受け継いでいく志を象徴する名称とされている.