ネクスペリア

ネクスペリア[Nexperia B.V.,蘭].
時価総額[2020]:約37.7億米ドル.


ネクスペリア[Nexperia B.V.]は, オランダ・ナイメーヘンに本社を置く半導体メーカーである.かつては聞泰科技[Wingtech Technology Co., Ltd.]の傘下にあったが, 2025年10月にオランダ政府が国家安全保障上の懸念を理由に同社の経営統制権を掌握している.同社の前身は, NXP Semiconductors N.V.[旧・フィリップスセミコンダクターズ]のスタンダード製品事業部門[Standard Products business unit]であり, 低電圧・汎用用途のディスクリート半導体, MOSFETおよびアナログ/ロジックデバイスに強みを持つ.

古くはフィリップスが1950年代からナイメーヘンおよびドイツ・ハンブルクで半導体生産を開始しており, その流れを汲む企業としてネクスペリアは発展してきた.NXPによる2006年の分社化を経て, 2017年2月に同部門の売却が完了してネクスペリアが独立, さらに2018年10月に聞泰科技[Wingtech Technology Co., Ltd.]による買収が完了し, 中国資本が同社の親企業となった.

しかし, ロシアへのチップ供給問題, 2024年のランサムウェア攻撃, 英国・ウェールズのニューポート工場売却問題, さらに2025年にはオランダ政府による介入など, 近年は国際的なガバナンス・安全保障リスクが表面化している.オランダ政府は2025年10月, 国家安全保障上の理由からネクスペリアの決定権を制限し, Wingtechの経営機能を実質的に停止させた.

製品面では, バイポーラトランジスタ, ダイオード, TVS[過渡電圧抑制]ダイオード, MOSFET, ESD保護素子, ロードスイッチ, アナログ/ロジックICなど広範なディスクリートおよびアナログ/ロジック部品を手掛けている.用途領域は自動車, 産業機器, モバイル製品, コンシューマー機器など多岐にわたり, 近年は低消費電力用途やバッテリー補完目的のエネルギーハーベスティング対応回路にも進出している.

ネクスペリアの本社はナイメーヘンにあり, 前工程工場[ウェーハファブ]はドイツ・ハンブルクおよびかつて英国・ウェールズ[ニューポート]に所在.組立・検査[アセンブリ・テスト]拠点は中国・東莞, マレーシア・スレンバン, フィリピン・カブヤオなどに展開.開発拠点はオランダ[ナイメーヘン, デルフト], ドイツ[ハンブルク, ミュンヘン], 英国[ストックポート], 米国, 中国[香港, 上海, 深圳], 日本などに展開されている.

Vita brevis, ars longa. Omnia vincit Amor.






















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