仏教図とキリスト教図

13-14世紀のジョットの時代に仏教図像がヨーロッパで知られていたという。そして、仏教図像の基本構図は当時のキリスト教図像に影響を及ぼしたことが明らかにされてきている。
中でも、シエナ派のシモーネの作品においては、天蓋の下の釈迦説法図と聖母子と聖人達の一堂に会するマエスタ図の、釈迦涅槃図とピエタ図の類似性が指摘されている(田中英道『光は東方より』河出書房新社、1986)。