秦陵銅車馬

 「中国の再統一を成し遂げた政、つまり始皇帝の墳墓は中国史上で最も有名な皇帝廟だね。ぼくなんか、どうも徳川家康と始皇帝を重ねて見てしまう。
ほら、始皇帝も家康も幼い時に力の有る他国の人質になっているでしょ。
だから、時代なんか全く無視して重ねてしまうのだけどね。始皇帝陵は、さしずめ、日光東照宮
 「わかるような気がする。
で、その始皇帝陵だけど、『史記・始皇帝本紀』の記述によると、始皇帝陵はなんと70万人が37年の歳月をかけて造営したらしいわ。
多少の誇張はあるにしても、1、2、3号兵馬俑を見ると頷ける」
 「始皇帝兵馬傭地下軍陣だね。
あれは壮大としか表現出来ない。もう何年も前に博物館の特別展示で一部を見たけど、凄いの一言。確か、1号坑は右軍歩兵軍陣、2号坑は指揮部、3坑は左軍車歩騎混編軍陣っていうんだよね、どれも本物のよう」
 「兵馬俑は東側よね、それに対して秦陵銅車馬は西側から出土しているわね。
車体がブロンズで、装飾は金銀。かなり正確に実物を模して制作されたもので一台がなんと1000キロもある。
2台一組で、大型の彩色の絵が描かれている」
 「銅車馬で驚くべきは、それだけじゃないよ。
二台合わせて、構成部品がなんと3000以上。加えて金銀の装飾品も1000点を軽く越えるという中国古代美術の一大傑作だ」