プロティノスの世界観 

プロティノス(Plôtînos A.D.204- 269)はアレクサンドリアの神秘主義をプラトンのイデア論とを融合したことで知られる。
プラトンの二元論では感覚界とイデア界とが区別され、人間の魂と肉体も区別されて全く別のものとして把握されていた。
プロティノス(Plôtînos)は、すべての事物は究極的な原理によって統一されており、すべてがそこから展開すると考えた。
その思想によれば、宇宙は四つの階層に分かれていると考えらる。最上位の階層は「一なるもの(to hen=一者、善)」。次の階層は「知性(nous)」。3番目は「魂(=psyche^)」が、そして最下位層には「自然(=physis)」が位置する。
そして、宇宙は全て「一者」から産み出され創造され、「一者」が下位の階層をも支配すると考える。すなわち、宇宙の魂(伝統的な訳語では世界霊[hê holê psychê、hê tôn holôn psychê])は物質の世界を秩序付け支配する。また個々の魂(hai kathekasta psychai)は個々の割り当てられた肉体の中にあって、肉体に生命を与えることでこれを支配すると考える。


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