ぶらぶら絵葉書

渡辺酒造

渡辺酒造は, 東京都武蔵村山市中藤に蔵を構えていた酒蔵で, 明治10[1877]年に創業した.もともとは醤油醸造を営む老舗だったが, 初代・渡辺市太郎の代から酒造りへと事業を広げ, 地域に根ざした酒蔵として歩みを重ねた.

ちなみに,渡辺市太郎の兄である渡辺源蔵は,天保13[1842]年に,多摩郡小出村[現東久留米市]の佐太郎から元株高10石・酒造米100石の酒造を譲り受けて酒造業を中藤村で営んでいた.但し,渡辺市太郎は源蔵の酒造業を引き継いだ訳ではない.

代表銘柄「吟雪[ぎんせつ]」は, 狭山丘陵に育まれた秩父山系の良質な伏流水を仕込み水に用い, 「純白の雪のようにきれいな味わいを吟味する」という願いを込めて命名された.艶のある辛口が持ち味で, 地域を代表する地酒として広く親しまれていました.東大和市限定ラベルの「多摩湖の香り」など, 地域に寄り添った商品展開も行っていた.

青梅街道沿いには大正10[1921]年に建造された赤レンガの煙突がそびえ立ち, 長年にわたって街のシンボルとして人々に親しまれた.

しかし, 日本酒の需要低迷などの影響を受け, 2007[平成19]年9月30日に130年の歴史に幕を閉じ, 廃業.現在, 「吟雪」はもはや手にすることのできない「幻の酒」となっている.

東京都武蔵村山市中藤@2007.


今日も街角をぶらりと散策.
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