ぶらぶら絵葉書

旧ハリヤー邸

旧ハリヤー邸は, 明治38[1905]年頃, 神戸旧居留地に外国人向けの高級借家として建設され, 大正年間に北野町に移築された西洋館である.後にドイツ人R.ハリヤーの住居となったため旧ハリヤー邸と呼ばれるが, 「うろこの家」という通称の方が一般的である.北野・山本地区に現存する異人館群の中でも代表的な建築の一つであり, 神戸で最初に公開された異人館として知られている.

建物は木造二階建て, 塔屋付, 切妻屋根, 黒桟瓦葺きで, 外壁に貼られた天然スレート[粘板岩]が魚鱗[うろこ]のように見えることから「うろこの家」の愛称で親しまれている.外壁には約3,000枚の天然石スレートが釘で1枚ずつ留められており, その重厚な外観が特徴的である.中央の塔屋は展望室となっており, 標高150メートルの高台から神戸港を一望できる.内部には時代を経た家具・調度品とともに, マイセンをはじめとする陶磁器, エミール・ガレやティファニーなどのガラス工芸品が展示されている.

設計者については明確な記録が残っていないが, 施工は地元の日本人大工によるものと考えられている.構造材には洋風の金物と和風の大工技術が併用されており, 明治中期の洋風住宅の過渡的形態をよく示している.

神戸市中央区北野町@2012-04


今日も街角をぶらりと散策.
index





















- - - -