ぶらぶら絵葉書

古川市場[青森魚菜センター]

青森魚菜センター[通称:古川市場]は,青森県青森市古川に位置する市場であり,地元では古川市場の名で親しまれ,青森市民の台所として機能している重要な商業施設である.1969年に創業され,半世紀以上にわたり青森の食文化の発信拠点として愛され続けている.JR青森駅から南東に約500メートル,徒歩5分程度の好立地にあり,地元住民の日常的な買い物の場であると同時に,観光客にとっては青森の新鮮な食材を体験できる重要な観光スポットとなっている.

市場内には鮮魚店,惣菜店など約30店舗が軒を連ね,陸奥湾で獲れたばかりの新鮮なホタテをはじめ,その日の朝に水揚げされた近海の魚介類,地元の特産品や惣菜類が豊富に並んでいる.青森湾が目の前に広がる立地の良さを生かし,季節ごとの旬の海産物を提供することで,地域の食文化を支える重要な役割を担っている.営業時間は午前5時から午後6時30分頃までで,早朝から活気に満ちた市場の雰囲気を楽しむことができる.定休日は毎週火曜日であるが,ゴールデンウィーク,青森ねぶた祭開催期間,お盆,年末年始などの時期には変更される場合がある.

古川市場の最大の名物は,2001年から始まったのっけ丼である.これは丼ご飯にお好みの具材をのせて作るオリジナル海鮮丼で,元祖青森のっけ丼として全国的に知られるようになった.のっけ丼は独特のシステムを採用しており,まず案内所で食事券を購入し,オレンジ色の旗のある店舗で丼ご飯と引き換えた後,紺色の旗のある店舗で刺身や惣菜,肉類など好きな具材を購入してご飯にのせる仕組みになっている.2023年4月の料金改定では,12枚綴り券が2,000円,1枚券は170円となり,さらに2025年5月1日からは12枚綴り券2,200円,1枚券190円に価格変更が予定されている.のっけ丼の営業時間は午前7時から午後4時までである.

このシステムの魅力は,「少しずつ,いろいろな種類を食べたい」「海鮮とお肉を両方楽しみたい」といった個人のリクエストに応えられる点にある.青森が誇るホタテ,マグロ,イクラ,真鯛,カニ脚,しめ鯖,エンガワ,前沢牛の炙り,玉子焼き,もずく,シジミ味噌汁など,海の幸から山の幸まで多彩な具材が用意されており,来場者は自分だけのオリジナル丼を作ることができる.市場内には休憩所も整備されており,作った丼をその場で味わえる環境が整っている.

古川市場は青森の食文化を象徴する存在として,地域経済と観光振興の両面で重要な役割を果たしている.地元住民にとっては新鮮で安価な食材を購入できる生活の拠点であり,観光客にとっては青森ならではの食体験を楽しめる貴重な場所である.特にのっけ丼は,青森観光の定番体験として定着しており,国内外からの観光客に青森の食文化を理解させる重要な窓口となっている.

@2018-04


今日も街角をぶらりと散策.
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