口脇

〔読み〕くちわき。

熊本県天草市に著しく集中している。特に旧牛深市に属する深海町が最大の分布地。

深海町は、天草下島南東部の深海湾に面する地域である。近世には深海村を中心として、下平浦村や浅海村などの集落が形成され、海上交通や漁業と結び付いた生活が営まれていた。現在の深海町にも下平、舟津、東多々良、中浦、浅海などの地名が残り、さらに猪行田、ニタ俣、涼松、蜂起などの旧字名も確認される。このような細かな地名が残ることからも、深海では海岸沿いの集落と山間部の耕地・居住地が細かく区分されていたことが分かる。

ところで、深海の地域史資料には、深海の集落社会では「浜崎・浜元・浜下」などとともに、「口脇・口元」も一族の中の内の特定の家を区別した呼称として用いられてきたという記録がある。つまり、「口脇」は単なる地形を表す一般名詞ではなく、深海の特定の家・一族を識別する固有の名称として存在していたと考えられる。

なお、深海町の船津地区において、薩摩出身の口脇ケイ松という人物の先祖が一番最初にこの地に入植したという事実が地域に伝承されている。

初版:2026年08月30日(月)。

デザイン名字.





















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