ぶらぶら絵葉書

旧日本興業銀行本店ビル

旧日本興業銀行本店ビルは, 東京都千代田区丸の内一丁目に位置したオフィスビルである.1973[昭和48]年12月に竣工し, 1974[昭和49]年1月に日本興業銀行本店として使用が開始された.建築主は日本興業銀行, 設計は村野・森建築事務所[村野藤吾], 施工は大林組が担当した.建物は鉄骨鉄筋コンクリート造で, 地上15階・地下5階, 延床面積は約75,782平方メートルであった.

建物の設計上の特徴として, 外観および低層部のデザインが挙げられる.外壁には小豆色[ワインレッドに近い色]の花崗岩が用いられ, 質感と色彩の重厚感により金融機関としての信頼性と品格を表現していた.永代通りに面する低層部は大胆に切り取られたような意匠が施され, 都市スケールとの対話を意識した設計がなされていた.

敷地は南北に細長く, 北側が永代通り, 南側が東京駅および日本工業倶楽部会館に接しており, 戦略的な位置を占めていた.建物はその形状と相まって, 丸の内の金融街におけるランドマークとしての存在感を有していた.

機能面では, 金融機関本店にふさわしい高機能オフィスとして設計され, 地上15階の多層構成により営業部門・管理部門・本店コア機能を十分に収容可能であった.また地下5階を活用することで, バックオフィス機能や設備サポート部門も柔軟に配置できる設計であった.

その後, 日本興業銀行は他行との統合により組織再編が進み, ビルはみずほコーポレート銀行本店, さらにみずほ銀行本店として使用された.しかし, みずほ銀行本店機能が大手町新ビルに移転したことに伴い, 旧ビルは再開発の対象となった.三菱地所は丸の内1‑3街区の再開発計画に基づき, 旧日本興業銀行本店ビルを解体し, 新たに「みずほ丸の内タワー」と「丸の内テラス」のタワー棟およびアネックス棟を建設した.再開発は2020年9月末に竣工し, 現在は丸の内の新たなランドマークとして機能している.

東京・千代田区丸の内@2009-04


今日も街角をぶらりと散策.
index





















- - - -