ぶらぶら絵葉書

白川筋[東山駅近く]

白川は, 比叡山西麓の瓜生山・北白川の谷を水源とする小河川である.修学院・北白川を経て東山のふもとを流下し, 岡崎地域に入ると琵琶湖疏水や疏水分線と複雑に交差しながら市街地を南へと進む.

琵琶湖疏水は1890[明治23]年に竣工した京都近代化の大事業であり, その豊富な水量は水力発電・工業用水・上水・灌漑に広く活用された.岡崎地域では疏水本流と白川が並行し, ところどころで分流・合流を繰り返す複合的な水系が形成されている.これにより白川の流量は安定し, 地域の庭園や公園の水景を潤す役割を果たすようになった.

地下鉄東山駅の周辺では, 白川が岡崎から祇園方面へと流れ下り, 石橋や柳並木に縁取られた水辺空間を形作っている.この付近では疏水分線と白川が至近距離で並流し, 岡崎から祇園へ至る水辺景観の骨格を成している.白川の清流は料理屋や茶屋の庭に取り入れられ, 東山界隈の風致を支える重要な要素となっている.

すなわち, 地下鉄東山駅近くの白川は, 比叡山麓からの自然流路に琵琶湖疏水の近代水系が加わり, 伝統的な町並みと近代都市計画とが融合する地点といえる.

@2025-01


今日も街角をぶらりと散策.
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