真珠の耳飾りの少女

ネーデルラント連邦共和国の画家でバロック期を代表する画家の1人であるヨハネス・フェルメール[Johannes Vermeer, 1632-10-31 – 1675-12-15]の1665年頃の作品.オランダのハーグにあるマウリッツハイス美術館所蔵.

この作品は暗い背景の中に浮かび上がる少女の上半身を描いたもので, 少女は鑑賞者の方を振り返るように視線を向けている.最も特徴的なのは, タイトルにもなっている大粒の真珠の耳飾りであり, 柔らかな光を受けて輝いている.少女は青と黄色のターバンを頭に巻いており, この鮮やかな色彩がフェルメール特有の繊細な光の表現によって際立っている.

少女の表情は謎めいており, わずかに開いた唇と潤んだ瞳が独特の魅力を放っている.その表情からは何かを語りかけようとしているような, あるいは期待しているような雰囲気が感じられる.この絵画はしばしば「北のモナ・リザ」とも呼ばれ, 描かれた少女の正体については諸説あるものの, 特定されていない.使用人説や画家の娘説などが提唱されてきたが, 確証は得られていない.

技法的には, フェルメールが得意とした光と影のコントラスト, そして色彩の繊細な表現が存分に発揮されている.特に真珠や唇, 瞳に見られるハイライトの描写は, フェルメールの卓越した観察力と技術を示している.背景を単純化することで少女の存在感を際立たせる構図も巧みである.

この作品は20世紀後半になって世界的な注目を集めるようになり, 現在ではフェルメールの代表作の一つとして広く知られている.小説や映画の題材にもなり, 美術史を超えて大衆文化にも大きな影響を与えた作品となっている.


'Beauty is truth, truth beauty,'-that is all Ye know on earth, and all ye need to know.
John Keats,"Ode on a Grecian Urn"

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