

申命衍[신명연,シン・ミョンヨン,1809–1886]の『花卉図屏風』の一扇.
申命衍は,李氏朝鮮[1392–1897]後期の純祖・憲宗・哲宗・高宗のの治世に活躍した文人画家.本貫は平山.字は実夫,号は靄春.
命衍は,清朝[1636–1912]の北京を往来し,中国の文人・画家と直接交流し詩・書・画に優れた申緯[シン・ウィ.1769–1845]の次男であり,申命準[신명준]の弟.父の薫陶を受けた命衍は詩文・書法・絵画を学び, 17歳で武科に及第した.官職に就きつつも絵画制作を怠らず, 花卉画, 花鳥画, 山水画, 四君子画, 肖像画において示されたその芸術的感性は, 同時代の文人層から高く評価された.
兄の申命準とともに父から詩・書・画を直接伝授され,同時代に活動した士大夫画家の尹程[윤정],李健弼[이건필]とは親戚関係にある.
韓国国立中央博物館に所蔵される『花卉図屏風』は, 申命衍の代表作の一つである.
本作は十曲一双の屏風で, 早春から秋にかけて咲く多様な花々を描いている.
各扇には特定の花が配され, 第1扇には梅花と椿, 第2扇には水仙と南天, 第3扇には紫藤, 第4扇には白木蓮, 第5扇には芥子と紫木蓮, 第6扇には牡丹, 第7扇には紫陽花, 第8扇には蓮, 第9扇には木槿, 第10扇には菊が描かれている.
主枝は輪郭線を用いない没骨法[몰골법]によって表され, 花弁は細緻な筆致と鮮やかな色彩によって繊細に描写されている.
'Beauty is truth, truth beauty,'-that is all Ye know on earth, and all ye need to know.
John Keats,"Ode on a Grecian Urn"
