Elegías 2002

エクアドルの画家ミルトン・エストレリャ・ガビディア[Milton Estrella Gavidia;1969-08-25 –]の作品.

ガビディアは, エクアドルの首都キト出身の現代彫刻家・画家である.独学で芸術を習得した作家として知られ, 自然の風景から着想を得た有機的な形態を木・石・リサイクル素材などで表現する抽象作品と, 国際的な展覧会やシンポジウムへの精力的な参加によって世界的な評価を得ている.

ガビディアは幼少期をキトを取り巻くアンデス山脈と火山の風景の中で過ごし, その環境が後の作品に一貫して現れる有機的形態への感受性を育んだ.1991年, 22歳でキト中央大学芸術学部に入学したが, ほどなく退学し, 独学での創作活動へと進んだ.試行錯誤と自主的な実践の中で彫刻と絵画の技術を磨いた初期の彼は, 入手しやすいリサイクル素材を積極的に活用し, 機知に富んだ方法論を育んでいった.

その独学的発展を世に示す決定的な契機となったのが, 1995年のマリアーノ・アギレラ現代美術サロンである.木材・カブヤ・ココナッツ樹皮などのリサイクル素材から制作された彫刻エレジア[114cm×63cm]が最優秀賞を受賞し, 26歳の彼をエクアドルの美術界で一躍注目の存在とした.この栄誉は制度的支援なしに成し遂げられた認知として彼のキャリアを決定づけ, 以後の持続的な制作活動の礎となった.

彫刻における彼の理論的基盤は「有機的幾何学」であり, 力強い建築的構造と柔らかな有機的動きの融合によって抽象的形態を生み出す点に特色がある.大理石・花崗岩・石材・エクアドル産広葉樹[ノガル, ナランヒージョ等]を主な素材とし, チェーンソーや電動工具と, ゴッジ・ノミなどの手工具を組み合わせることで, 素材本来の質感を引き出しながら精密な形状を作り上げる.堅固な石の内部に流動的な形態を見出す姿勢, および廃棄木材をねじれた植物形態や生命の循環を象徴する作品へと変容させる姿勢は一貫しており, 素材への愛撫として自然と精神の対話を可視化する試みであると解釈できる.

絵画においても,アンデスの火山地帯を想起させるアースカラーの抽象表現が国家的に顕彰された.また, 彫刻と絵画を融合させたミクストメディア作品にも取り組み, 塗装面と木材・樹脂などの彫刻素材を組み合わせたハイブリッド作品を制作している.


'Beauty is truth, truth beauty,'-that is all Ye know on earth, and all ye need to know.
John Keats,"Ode on a Grecian Urn"

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