プリンスの森から

パラレルワールド

量子力学という学問では、人間が物事を観測すると、その瞬間にあら不思議、複数存在した可能性がから一つの可能性が選ばれるのだと考えるのだという。
この考え方に沿って「量子暗号」という技術が既に開発されている以上、これを単にそう考えるだけだろうと済ますことは出来ない。
こうした考え方を「コペンハーゲン解釈」というのだけれども、そうすると、観測するという行動をとる前には、複数の世界が存在していたということにはなりはしないか。複数の世界が存在しているのだと素直に考えるのが「パラレル・ワールド」説。
この考え方はSF小説などで使われたりする。
主人公が住んでいる世界はもうひとつの世界で、それは本当の主人公の見ている夢の中の出来事だったというパターン。
私が見た夢もパラレルワールドの一端だったのかもしれない。
コペンハーゲンという名前は量子力学の先駆け的研究を行っていたボーア研究所がコペンハーゲンにあることに由来している。
コペンハーゲン解釈では、観測した後には世界は一つに収斂する。
だけど、それに異議ありとしたのが、ヒュー・エヴェレットで、観測した後でも世界は複数存在し続けるんだとした。これは、コペンハーゲン解釈に対して、エヴェレット解釈と呼ばれている。
でも、観測後も複数の世界が同時並行的に存在しているとするエヴェレット解釈に従ったとしても、同時並行的に存在している別の世界同士のやりとりは出来ないとされている。そう、今、暮らしているこの世界のほかに「あなたの知らないもうひとつの世界」が存在しているかもしれない。
家では使い物にならないお父さんの会社でも「もう一つの世界」とか。あぁ、それは少し、いや全く意味が違うし、結局、根っこは同じお父さんという深刻な現実を突きつけられる可能性があるので止めておこう。

量子力学が語る世界像?重な...ブルーバックス (B-1012)