ぶらぶら絵葉書

日比谷公園野外音楽堂

日比谷公園野外音楽堂は, 1923[大正12]年7月に開設された日本有数の野外音楽施設である.日比谷公園は1903[明治36]年6月1日に開園し, 本多静六博士によって設計・造成され, 日本初の近代的洋風公園として整備された.その文化施設群の一環として, 開園から2年後の1905[明治38]年に小音楽堂が完成し, 公園の成立から20年を経て, 大規模な公開演奏会を収容できる恒久的施設の必要性が高まり, 大音楽堂が設置された.地形を活かして観客席を扇形に配置し, 舞台と客席の一体性を重視した構成が整えられた.

初代の大音楽堂は, 開設からわずか2か月後に関東大震災に見舞われたが倒壊を免れ, 罹災者慰安のための公演が行われるなど, 市民の娯楽の場として機能し続けた.昭和期に入ると市民音楽イベントの舞台として定着したが, 戦時期の1943[昭和18]年から一時休館を余儀なくされた.戦後はGHQに接収されたが, 接収解除後の1954[昭和29]年8月に改築が行われ, 2代目大音楽堂として再開し, 戦後復興期の文化的需要に応える市民のための音楽空間として再出発した.

その後, 利用の増大と老朽化に対応するため, 1982[昭和57]年から全面改築工事が行われ, 1983[昭和58]年8月に3代目大音楽堂として完成した.設計は桂建築設計事務所[現・桂設計]によるもので, 舞台上部には大きく張り出した庇状の屋根が新たに設けられ, 音響性能と天候への耐性の両立が図られた.客席は公園の緩やかな地形を生かして再構成され, 周囲の緑地と連続する開放的な空間が形成された.この改築は, 戦後の音楽文化の成熟を背景に, 専用施設としての性能向上を目指した転機である.

近年では再び老朽化が顕著となり, 大規模な再整備が計画された.2025[令和7]年10月1日以降, 施設は再整備工事に着手するため使用を休止しており, 舞台裏機能の拡充, バリアフリー化, 耐震補強, さらには雨天時の利用性を高める新たな屋根構造の導入などが計画されている.

東京・千代田区日比谷公園@2025


今日も街角をぶらりと散策.
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