ハインリヒ・フォン・ザックス

ハインリヒ・フォン・ザックス[Heinrich von Sax,c.1194/1236]はヘンリー6世やフリードリヒ2世に仕え,現在のスイス東部のザンクト・ガレン州のザックス城[Burg Hohensax]を本拠としたホーエンザックス家[von Sax,Hohensax]出身の名門貴族にして詩人.アッペンツェラーラント近郊のクランクス城を手中に収め,中世イタリアの都市国家政治において重要な役割を果たしたフォン・トーレ家[von Torre]の娘との結婚により,スイス南部のグラウビュンデン州[Graubünden]にある渓谷地域であるミソックス[Misox,Mesolcina]に領地を得たことが知られる.

チューリッヒの貴族であるマネッセ家の注文により,1280年頃から1330年頃に掛けて制作された,中世ドイツの代表的な140人の宮廷詩人の詩歌を収録した大型豪華彩飾写本であるマネッセ写本[Codex Manesse oder Die Manessische Liederhandschrift]の一部.