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選好順序の公理

混合集合 $M$ 上の選好順序 $\succ$$M$ の任意の元 $x,x',x''$ に対して以下を考える.
公理1
(合理性):$\succ$$M$ 上の弱順序である.
公理2
(独立性):$x \succ x'$ ならば $0 < \mu < 1$ を満たす任意の実数 $\mu$ に対して、
$\mu x + (1-\mu) x'' \succ \mu x' + (1-\mu) x''$
公理3
(連続性): $x \succ x' , x' \succ x''$ ならば、 $0 < \alpha , \beta < 1$ なる実数 $\alpha,\beta$ が存在して以下が成り立つ.
$\alpha x + (1-\alpha) x'' \succ x' , x' \succ \beta x + (1-\beta)x''$

定義 (選好関係 Preference Relation)
プレイヤーは任意の行動計画 $x,x' \in X$ に関して自らの嗜好に基づく選好を持っている.そして、その選好は次の性質のいづれかを満たす.
  • 弱い意味での選好(weak preference): $x \succeq x' \Longleftrightarrow$ プレイヤーは $x$$x'$ より選好するか、または $x$$x'$ に関して無差別である.
  • 強い意味での選好(strict preference): $x \succ x' \Longleftrightarrow$ プレイヤーは $x$$x'$ より選好する.
  • 無差別(indifference): .プレイヤーはは $x$$x'$ に関して無差別である.

定義 (合理的選好関係 Rational Preference Relation)
次の性質を満たす選好関係 $\succeq$ を合理的であるという.
  • 完備性(completeness):任意の行動計画 $x,x' \in X$ について、$x \succeq x'$ あるいは $x' \succeq x$ のうち少なくとも1つが成立する.
  • 推移性(transitivity):任意の行動計画 $x,x',x'' \in X$ について、$x \succeq x'$ かつ $x' \succeq x''$ ならば、$x \succeq x''$ が成立する.
※反射性(reflexivity):任意の行動計画 $x \in R^{m}_{+}$ について、$x \succeq x'$ という性質が挙げられる場合がある.しかし、反射性は完備性から導くことが出来る.



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平成23年5月2日